書籍「ゼロから身に付く!ChatGPT活用スキル」は、プロンプトエンジニアリング(AIへの指示文を最適化する技術)の基礎から応用、文字数制限の克服、多言語翻訳・変換の活用、そして最新のGPT-4に関する情報まで、一冊で網羅的に解説している本です。
すでに他のChatGPT入門書を読んだことがある、中級者から上級者向けの内容になっています。
本の概要、注目点、感想・口コミ・書評記事、参考文献、を紹介します。
本の概要
書籍情報
タイトル | ゼロから身に付く!ChatGPT活用スキル: 業務効率化、言語翻訳、文書の要約、万能シミュレーション |
著者 | ChatGPT研究所 |
出版社 | 工学社 |
発売日 | 2023/5/29 |
単行本ページ数 | 144 |
著者紹介
ChatGPT研究所
AI技術とその応用に焦点を当てた情報メディア。
特にAI技術が人々の生活やビジネスに与えるインパクトについて広く知識を共有することを目指し、プロンプトの幅広い活用方法やチャットボットの開発など、様々な実験や調査を行っている。
note: https://chatgpt-lab.com/
Twitter: @ctgptlb
著者が伝えたいこと
著者はこの本を通じて伝えたいことを以下のように述べています。
本書では、「ChatGPT」の活用法を、初心者から上級者まで幅広く学べます。
「プロンプトエンジニアリング」(AIへの指示文を最適化する技術)の基礎から応用、「文字数制限」の克服、多言語翻訳・変換の活用、そして最新の「GPT-4」に関する情報まで、一冊で網羅的に学ぶことが可能です。
この書籍を通じて、あなたも「ChatGPT」の力を活用し、仕事や日常生活で役立つスキルを身につけましょう。
本の目次
本の目次を引用して紹介します。
- はじめに
- 第1章 ChatGPT超入門
- 第2章 プロンプトエンジニアリング[基礎編]
- 第3章 プロンプトエンジニアリング[応用編]
- 第4章 敬語による[ChatGPT]の驚くべき変化
- 第5章 「ChatGPT」の文字数制限を克服する
- 第6章 「ChatGPTプラグイン」の紹介
- 第7章 言語を「10倍」パワフルに翻訳・変換
- 第8章 「ChatGPT」と「Google Spreadsheet」を連携させる
- 第9章 「メガプロンプト」でYouTube動画から「ブログ記事」を量産する
- 第10章 「ChatGPT」であらゆる事象をシミュレートするプロンプト
- 第11章 「ChatGPT」の仕組み超解説
- 第12章 「GPT-4」が遂に公開
- 第13章 「GPT-4」で仕事を効率化
- 索引
もっとくわしく見たい場合は記事の最後に、本の目次(詳細版)があります。
注目点
この本はどのようなことが書かれているのか?読んでみて注目した点を3つ紹介します。
Zero-shot、Few-shot、ファインチューニング
1つ目に注目した点は「第2章 プロンプトエンジニアリング[基礎編]」に書かれている「Zero-shot、Few-shot、ファインチューニング」です。
著者は、Zero-shot、Few-shotについて以下のように説明しています。
- 「Zero-shot」(ゼロ・ショット)とは、事前知識や例を提供せずに指令を出すことです。
- いくつかの例をあらかじめ提供した上で指示することは、「Few-shot」(フュー・ショット)と呼びます。
そして、Few-shotの例として以下を示しています。
以下のテキストからキーワードを抽出してください。
テキスト1:Stripeは、Web開発者がウェブサイトやモバイルアプリケーションに決済処理を統合できるようにするAPIを提供しています。
キーワード1:Stripe、決済処理、API、Web開発者、ウェブサイト、モバイルアプリケーション
##
テキスト2:OpenAIは、テキストを理解し生成するのが非常に得意な最先端の言語モデルを訓練しています。当社のAPIは、これらのモデルにアクセスし、言語処理が関与するほぼすべてのタスクを解決するために使用できます。キーワード2:OpenAI、言語モデル、テキスト処理、API。
##テキスト3:{text} キーワード3:
ChatGPT研究所. ゼロから身に付く!ChatGPT活用スキル (pp.22).
ゼロショットCoT
2つ目に注目した点は「第3章 プロンプトエンジニアリング[応用編]」に書かれている「ゼロショットCoT」です。
著者は、ゼロショットCoT(Zero-shot CoT)というものを紹介しています。
計算問題「私は市場に行って10個の梨を買いました。近所の人に2個、修理業者に2個あげました。その後、さらに5個の梨を買って、1個食べました。私は何個の梨を持っていますか?」という指示文に対しは、間違った回答をすると著者は説明しています。
そこで、この指示文に「ステップバイステップで考えよう」という、ゼロショットCoTを入力して再度実験すると、正しい回答をするようになる、と説明しています。
このシンプルなプロンプトが、このタスクに効果的であることは印象的です。
特に、プロンプトに使える例文があまり多くない場合に有効です。
ChatGPT研究所. ゼロから身に付く!ChatGPT活用スキル (pp.34).
高度な「敬語」で接するほど、出力は良くなる
3つ目に注目した点は「第4章 敬語による[ChatGPT]の驚くべき変化」に書かれている「高度な『敬語』で接するほど、出力は良くなる」です。
著者は、ChatGPTに敬語と命令形で接した時に、出力がどのように変わるのか、「ボールペンのキャッチコピー」を書いてもらって検証する実験をした結果を述べています。
著者は以下の5段階の敬語で「ボールペンのキャッチコピー」を依頼する実験を行っています。
- 「ボールペンのキャッチコピーを書け」
- 「ボールペンのキャッチコピーを書いてください」
- 「ボールペンのキャッチコピーをお書きいただけますか」
- 「ボールペンのキャッチコピーをお書きいただけますでしょうか」
- 「お忙しいところ恐れ入りますが、ボールペンのキャッチコピーをお書きいただけますでしょうか。何卒よろしくお願い申し上げます。」
実験結果を受けての考察として、著者は以下のように述べています。
さて、ではなぜ敬語で接すると出力が良くなったのでしょうか?
(中略)
なぜなら「ChatGPT」は現実社会の人間から学んでいるからです。
敬語で接することで、「ChatGPT」はプロフェッショナルとしての敬意を払われたことに同調して、自分自身をその段階まで引き上げたのではないかということが考えられます。
ChatGPT研究所. ゼロから身に付く!ChatGPT活用スキル (pp.49).
感想・口コミ・書評記事
感想
読み終えてみて全体的な感想は、ChatGPTの初心者には難しい内容が多く、中級者から上級者向けの内容でした。
第2章と第3章のプロンプトエンジニアリング[基礎編][応用編]では、さまざまなプロンプティングの名称と実例が記載されており、今まで読んだ本には無い内容だったので、最も参考になりました。(もっとくわしく書かれているとさらに良かったのですが)
第4章の敬語による変化の実験内容も、今までChatGPTを使っていて文章の語尾を「作成してください」とするのか、「作成して」でも同じなのか、疑問に思っていたので、参考になりました。
第6章ChatGPTプラグインの紹介と第13章ChatGPTで仕事を効率化は、解説されている内容が薄くて、ちょっと期待はずれでした。
この本を購入するか否かを迷っている人は、書店で実際に内容を確認してから判断するのが良いかと思います。
私の場合、現時点で一度読んだ中では半分程度しか理解できなかったので、これから学習を積んだ後に、再度この本を読み返したいと感じました。
口コミ
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書評記事
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参考文献
この本には参考文献の記載がありませんでした。
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まとめ
本の概要、注目点、感想・口コミ・書評記事、参考文献、を紹介しました。
書籍「ゼロから身に付く!ChatGPT活用スキル」は、プロンプトエンジニアリング(AIへの指示文を最適化する技術)の基礎から応用、文字数制限の克服、多言語翻訳・変換の活用、そして最新のGPT-4に関する情報まで、一冊で網羅的に解説している本です。
すでに他のChatGPT入門書を読んだことがある、中級者から上級者向けの内容になっています。
本ブログサイトでは、以下のような記事も紹介しています。
本の目次(詳細版)
この本の目次(詳細版)を引用して紹介します。
- はじめに
- 第1章 ChatGPT超入門
- 「ChatGPT」って何?
- 「ChatGPT」はどうやったら使える?
- 有料版(ChatGPT Plus)について
- 「ChatGPT」を使う上での注意点
- 「ChatGPT」はどのような用途に使える?
- 第2章 プロンプトエンジニアリング[基礎編]
- 最適な「プロンプト」を得るには?
- 最新のモデルを使う
- 指示の位置と区切り
- 説明は具体的かつ詳細に
- 例を提示して望ましい出力形式を明示
- Zero-shot、Few-shot、ファインチューニング
- 曖昧な説明を減らす
- 「何をしないか」だけでなく、「代わりに何をすべきか」を述べる
- 第3章 プロンプトエンジニアリング[応用編]
- 高度で実践的な「プロンプトエンジニアリング」
- ゼロショット・プロンプティング
- フューショット・プロンプティング
- 「フューショット・プロンプティング」の限界
- 思考連鎖型プロンプティング
- ゼロショットCoT
- 自己整合性
- 知識生成系プロンプティング
- 自動プロンプトエンジニア(APE)
- 第4章 敬語による[ChatGPT]の驚くべき変化
- 高度な「敬語」で接するほど、出力は良くなる
- 実験概要
- 実験の結果
- 結果を受けての考察
- 第5章 「ChatGPT」の文字数制限を克服する
- そもそも「扱える限界の長さ」はどれくらい?
- 文字数制限を超える入力に対応するプロンプト
- テキストを分割して入力することを理解してもらう
- 第6章 「ChatGPTプラグイン」の紹介
- 「ChatGPTプラグイン」とは?
- 「ChatGPTプラグイン」の使い方
- 実際のプラグインの事例
- 第7章 言語を「10倍」パワフルに翻訳・変換
- 「ChatGPT」を使って世界各国の言葉を一瞬で翻訳
- 実際に「ChatGPT」を使って翻訳をする
- ほとんどの人が知らない「ChatGPT」のより高度な翻訳機能
- 多言語コミュニケーションに最適な「ChatGPT」
- 第8章 「ChatGPT」と「Google Spreadsheet」を連携させる
- 「ChatGPT API」で業務の「生産性」を爆上げする
- ステップ・バイ・ステップ
- 第9章 「メガプロンプト」でYouTube動画から「ブログ記事」を量産する
- 「Wisper」と「メガプロンプト」で動画を記事化
- 注意点
- 「Whisper」でYouTube動画を「文字起こし」
- 「Whisper」の使い方
- 「メガプロンプト」の詳細解説
- 第10章 「ChatGPT」であらゆる事象をシミュレートするプロンプト
- 本章を読む上での注意
- 「ChatGPT」をシミュレータとして使う
- 使う「プロンプト」について
- 「首都直下型地震」のシミュレーション
- 「ChatGPT」によるシミュレーションの注意点
- 第11章 「ChatGPT」の仕組み超解説
- 大規模言語モデル(LLM: Large Language Model)
- 「GPT」と自己認識
- ChatGPT
- モデルの評価
- 第12章 「GPT-4」が遂に公開
- 一般公開された「GPT-4」
- 「GPT-4」の使い方
- 「GPT-4」の性能
- 「GPT-4」の言語処理能力
- 「画像」と「テキスト」を同時に扱う「GPT-4」
- PDFから的確な回答を引き出す
- 「GPT-4」によるWebサイト制作
- カスタマイズ可能なユーザエクスペリエンス
- ユーモアの検出
- 「ステップ・バイ・ステップ」の思考
- 「GPT-4」のAPIについて
- 第13章 「GPT-4」で仕事を効率化
- 何から手をつけたらいいか聞く
- コーディングアシスタント
- メール作成アシスタント
- タスク管理アシスタント
- 法律アシスタント
- 文書作成アシスタント
- 「ブレインストーミング」への活用
- 索引