書籍「LISTEN」は、文化として「聴く」力が失われつつあるような現状に課題を提起しており、テクノロジーがコミュニケーションを容易にしているにも関わらず、真の「聴くこと」が不足していることを指摘し、リスニングの心理学や神経科学から、より良い人間の関わりの方法を提案しています。
「聴く」について深掘りして探求したい人、テクノロジーが人間関係へ与える影響を知りたい人、人間関係に悩んでいる人、などに一読をおすすめします。
本の概要、注目点、感想・口コミ・書評記事、参考文献、を紹介します。
本の概要
書籍情報
日本語版
タイトル | LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる |
著者 | Kate Murphy(ケイト・マーフィ) |
翻訳 | 松丸 さとみ |
監訳 | 篠田 真貴子 |
出版社 | 日経BP |
発売日 | 2021/8/5 |
単行本ページ数 | 504 |
原著(英語版)
著者紹介
Kate Murphy(ケイト・マーフィ)
ヒューストンを拠点に活動するジャーナリスト。
ニューヨーク・タイムズ、ウォール・ストリート・ジャーナル、エコノミスト、AFP通信、テキサス・マンスリーなどで活躍。
健康、テクノロジー、科学、デザイン、アート、ビジネスなど、多岐にわたるトピックを執筆。
特に人間関係や、人がなぜそのように行動するのかを、科学的にわかりやすく解説することに定評がある。
(著者紹介より一部引用)
著者が伝えたいこと
著者はこの本を通じて伝えたいことを以下のように述べています。(「はじめに」より一部引用)
あなたが最後に、誰かの話に耳を傾けたのはいつだったか、覚えていますか?
また、誰かがあなたの話を本気で聴いてくれたのは、いつだったでしょうか?
本書は、聴くことを賛美する本であり、また文化として「聴く」力が失われつつあるような現状を憂う本でもあります。
本書は、聴くスキルを伸ばすための指南書としても書きました。
私たちはみんな、人生の中で注意を向けて聴いてきたものの集大成なのです。
本の目次
本の目次を引用して紹介します。
もっとくわしく見たい場合は記事の最後に、本の目次(詳細版)があります。
- 監訳者はじめに
- はじめに
- Chapter1 「聞くこと」は忘れられている
- Chapter2 私たちは、きちんと話を聞いてもらえた経験が少ない
- Chapter3 聞くことが人生をおもしろくし、自分自身もおもしろい人物にする
- Chapter4 親しい人との仲もレッテルからも「聞くこと」が守ってくれる
- Chapter5 「空気が読めない」とはそもそも何が起こっているのか
- Chapter6 「会話」には我慢という技術がいる
- Chapter7 反対意見を聞くことは「相手の言うことを聞かなければならない」ことではない
- Chapter8 ビックヒットは消費者の声を「聴く」ことから生まれる
- Chapter9 チームワークは、話をコントロールしたいという思いを手放したところにやってくる
- Chapter10 話にだまされる人、だまされない人
- Chapter11 他人とする会話は、自分の内なる声に影響する
- Chapter12 「アドバイスをしよう」と思って聞くと失敗する
- Chapter13 騒音は孤独のはじまり
- Chapter14 スマートフォンに依存させればさせるほど、企業は儲かる
- Chapter15 「間」をいとわない人は、より多くの情報を引き出す
- Chapter16 人間関係を破綻させるもっとも多い原因は相手の話を聞かないこと
- Chapter17 だれの話を「聴く」かは自分で決められる
- Chapter18 「聴くこと」は学ぶこと
注目点
この本はどのようなことが書かれているのか?読んでみて注目した点を3つ紹介します。
相手が自分でもわかっていないことを引き出すのが聞き上手
1つ目に注目した点は「Chapter5 『空気が読めない』とはそもそも何が起こっているのか」に書かれている「相手が自分でもわかっていないことを引き出すのが聞き上手」です。
著者は、ミシシッピ大学のグレアム・ボティ教授が行った研究結果を紹介しながら、優れた聞き手になるポイントを説明しています。
- 「聴くこと」の核心は、「何が重要か」を探り当てること
- 探偵のように「この人はなぜこの話を私に聞かせているのだろう?」と常に自問しながら聞いてみてください
話し手は、必ずしも自分で答えをわかっていないことがあります。
優れた聞き手は、それを承知の上で質問を投げかけ、もう少し詳しく話すよう働きかけることで、話し手が答えを自分で気づくように手助けします。
聞き手がかけた言葉に対して、話し手が「まさにそのとおり!」「わかってくれるのね!」と返してくれたら、うまく聴けたと言えるでしょう。
ケイト・マーフィ. LISTEN知性豊かで創造力がある人になれる (Japanese Edition) (p.117). Kindle 版.
「自分の聞きたいようにしか聞かない」人はだまされやすい
2つ目に注目した点は「Chapter10 話にだまされる人、だまされない人」に書かれている「『自分の聞きたいようにしか聞かない』人はだまされやすい」です。
著者は、詐欺師はかなり能力の高い聞き手であることが多く、彼らは非言語のひそかなヒントや、何気ない言葉にひそむ意味を読みとり、相手が求めているものを見つけ出している、と述べています。
しかしここで指摘しておかなければいけないのは、嘘はたいてい、お互いの協同作業であるという点です、と著者は述べています。
そこには、嘘をつく人物と、自分の聞きたいようにしか聞かない人物が登場します。人は「自分はそんなのに引っかからない」と平気で言いますが、もし愛しているよとか、金持ちになれる、病気が治るなどと言われてしまったら、その言葉を信じたいあまりに聞く力がどれだけ損なわれてしまうか、まったく気づいていません。
ケイト・マーフィ. LISTEN知性豊かで創造力がある人になれる (Japanese Edition) (p.213). Kindle 版.
右耳は言葉を聞きとり、左耳は感情を聞きとる
3つ目に注目した点は「Chapter13 騒音は孤独のはじまり」に書かれている「右耳は言葉を聞きとり、左耳は感情を聞きとる」です。
著者は、ヘッドホンの右側もしくは左側だけに声を送って被験者に聞かせた実験や、脳の右側または左側が損傷した患者を対象に行った研究により発見された、聴覚情報の処理法について述べています。
右利きの人は、左耳で聞くより右耳で聞いた方が、言葉の意味を深く、速く理解できます。
これは脳の「左右機能分化」と関係があります。右耳で聞いたことはまず、ウェルニッケ中枢が位置する脳の左側に送られます。
また、話の情緒面を認識したり、音楽や自然の音を知覚したり味わったりするときには、左耳優位性がみられます。左利きの人にとっては、脳の神経経路が逆になっている可能性があるため、逆が当てはまるかもしれません。
ケイト・マーフィ. LISTEN知性豊かで創造力がある人になれる (Japanese Edition) (p.267). Kindle 版.
感想・口コミ・書評記事
感想
「1 on 1(ワン・オン・ワン)」についての本を読んで(ブログ記事)、「聴くこと」に興味関心があったので、この本を読んでみました。
事前に想像していた以上に、「聴くこと」と「聴かないこと」の違いによって、自分自身・家族・職場・社会にどのような影響があるのかを知ることができ、そして、今後の行動を考え直すことができる書籍でした。
聴くことについて誤解されていることや、知らず知らずのうちにしてしまうことなどについて、著者がインタビューした人とのエピソードや関連する研究や調査結果を引用しながら解きほぐしていく内容になっていて、「なるほど」「そうだったのか」と感じながら、最初から最後まで興味深く読むことができました。
たとえば、「見知らぬ人よりも『知っている嫌な人』に話しかけてしまう理由」ではシカゴ大学の行動科学の研究を引用し、人間はとりわけ社会的には不確実性を嫌うので見知らぬ人をさけてしまうが、生きた実感をいちばん味わわせてくれるのは不確実性です、という話をしています。
対面での人間同士の口頭の会話だけでなく、現代のテクノロジーであるスマートフォンやソーシャルメディアが聴くことにどのような影響を与えているのかが書かれていることも興味深い点でした。
たとえば、「携帯電話があるだけでそのテーブルには親近感が生まれない」ではイギリスのエセックス大学の心理学者が行った研究を引用し、テーブルの上に携帯電話があるだけで、たとえ音が鳴っていなくても、そのテーブルに座った人たちは互いに親近感を抱くことがなかった、という話をしています。
504ページとボリュームがある本ですが、目次の文章に要点が表現されているので、もう一度読みたい場合に該当箇所が探しやすくなっているのはうれしいところです。
著者は高校や大学に傾聴を教える授業や活動がほとんどないことをなげいていますが、この本を通じて「聴くこと」をより深く理解し興味関心を抱く人が広がることを期待したいと思いました。
口コミ
書評記事
この本の書評記事は、下記以外にも数多く公開されており、多くの人々に関心を抱かせたと推測できます。
Google検索した結果、上位に表示された4件を紹介します。
【要約・書評】『LISTEN-知性豊かで創造力がある人になれる-』ケイト・マーフィ - BIZPERA(ビズペラ)-ビジネス書評はペライチで
『LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる』の書評とサクッと要約|沈黙を恐れない。次に何を話そうと考えず、まず受け入れる - サクっと読書(サクどく)
『LISTEN 知性豊かで創造力がある人になれる』── チームの強化に役立ちそうな本を勝手にレビュー #46 - チームの教科書|アトラシアン株式会社
要約 「LISTEN-知性で豊かで創造力がある人になれる-」著:ケイト・マーフィ ~良い聞き方編~ - RRのビジネス書大全
ChatGPTに質問
ChatGPT Plus + WebPilotプラグインを使って、この本についてポジティブな意見を質問しました。
プロンプト「"You're Not Listening: What You're Missing and Why It Matters "のレビュー記事からポジティブな意見を箇条書きで作成してください。」
- 専門家の推薦:
Adam Grant(「Originals」と「Give and Take」の著者)は、この本を強く推薦しており、ジャーナリストが持つ視点とスキルセットを通じて、科学とユーモアを交えて聞く技術を紹介していると述べています。 - 時代を反映:
Lori Gottlieb(「Maybe You Should Talk to Someone」の著者)は、この本を「私たちの時代のための必須の本」と評価しています。良好なコミュニケーション、革新、成長、そして愛において、どれだけよく聞くかがどれだけ重要かを示していると述べています。 - コミュニケーションの本質:
本書は、テクノロジーがデジタルコミュニケーションを容易にしているにも関わらず、私たちが真に聞いていないこと、そしてどのようにしてこの傾向を逆転させることができるかについての洞察を提供しています。 - 実践的アドバイス:
本書は、聞く心理学、神経科学、社会学をアクセスしやすく紹介しており、CIAエージェントやフォーカスグループのモデレーター、バーテンダー、ラジオプロデューサー、トップ家具セールスマンなど、優れたリスナーの例を紹介しています。 - 文化的観察と科学的探求:
この本は、文化的観察、科学的探求、そして実践的アドバイスを組み合わせたものであり、Susan Cainの「Quiet」が内向性に対して行ったことと同じように、聞くことに対して行っています。
参考文献
この本には数多くの参考文献が記載されています。その中から5冊紹介します。
ファスト&スロー(上) (下)あなたの意思はどのように決まるか?:ダニエル・カーネマン(著)
「Chapter2 私たちは、きちんと話を聞いてもらえた経験が少ない」、「Chapter14 スマートフォンに依存させればさせるほど、企業は儲かる」の中で引用されています。
異性の心を上手に透視する方法:アミール・レバイン, レイチェル・ヘラ―(著)
「Chapter2 私たちは、きちんと話を聞いてもらえた経験が少ない」の中で引用されています。
愛を伝える5つの方法:ゲーリー チャップマン(著)
「Chapter2 私たちは、きちんと話を聞いてもらえた経験が少ない」の中で引用されています。
GREAT BOSS(グレートボス) ―シリコンバレー式ずけずけ言う力:キム・スコット(著)
「Chapter7 反対意見を聞くことは『相手の言うことを聞かなければならない』ことではない」の中で引用されています。
ビット・バイ・ビット -- デジタル社会調査入門:マシュー・J.サルガニック(著)
「Chapter8 ビックヒットは消費者の声を『聴く』ことから生まれる」の中で引用されています。
まとめ
本の概要、注目点、感想・口コミ・書評記事、参考文献、を紹介しました。
書籍「LISTEN」は、文化として「聴く」力が失われつつあるような現状に課題を提起しており、テクノロジーがコミュニケーションを容易にしているにも関わらず、真の「聴くこと」が不足していることを指摘し、リスニングの心理学や神経科学から、より良い人間の関わりの方法を提案しています。
「聴く」について深掘りして探求したい人、テクノロジーが人間関係へ与える影響を知りたい人、人間関係に悩んでいる人、などに一読をおすすめします。
本ブログサイトでは以下のような記事も紹介しています。
本の目次(詳細版)
この本の目次(詳細版)を引用して紹介します。
- 監訳者はじめに
- はじめに
- Chapter1 「聞くこと」は忘れられている
- 「誰とでも話ができる」は「誰の話でも聞ける」ということ
- 「要点を早く言わない人」は、悪い人か
- 「話を聞かれない」と孤独になる
- 誰かと一緒にいても、人は孤独を感じる
- 「聞きなさい」と言われる話は「会話」ではない
- 「聞く」職業の人でも、本当は聞いていない
- 「暮らす人」の声に耳をふさいだ政治家が分断を生んだ
- SNSは、社会全体を反映してはいない
- 「SNSにコメントを書く人」は、実はわずか
- 「自分の話なんて他人には迷惑」だと思う人は多い
- 携帯電話を見るのは、退屈で面倒な他人の話を聞かなくてすむから
- 「話を聞く」とは相手のおしゃべりを待つことだと思っている人が多い
- Chapter2 私たちは、きちんと話を聞いてもらえた経験が少ない
- 誰かの話を本気で聴くとはどういうことか
- まわりの人に無関心な方が、よほどリスクが高い
- 「聴く」ことは、自分自身への理解も深めてくれる
- 聞くことで他人の才能も共有できる
- 相手の話を聞けば聞くほど、お互いが似てくる
- ふたりで議論を重ねると、ひとりではできない発見ができる
- 親に聞かれたかどうかがその後の生きやすさに影響を与える
- ほとんどの人が、安定型と不安定型のはざまにいる
- 生い立ちに人生を左右される必要はない
- 観察ができれば、空気が変わる
- 孤独を感じるのは、「よいことが起こった」のに誰にも注意を払ってもらえないとき
- 「赤ちゃんの泣き声がうるさいの」という母親には、何と聞くのが正解?
- 出発点は、「他の人の声に耳を傾けること」
- Chapter3 聞くことが人生をおもしろくし、自分自身もおもしろい人物にする
- どんなに情報がない人物でも、話を聞けばだいたいわかる
- 道を誤る瀬戸際にいる人のことが理解できるようになる
- CIAが採用するのは、聞く力が優れている人
- うなずいたり、おうむ返しは「聴くこと」ではない
- 自分の話に耳を傾ける人がいると、外の世界に安心して出ていける
- 他人に関心を持って過ごす人は、多くの友人ができる
- 好奇心があるということは、思い込みがないこと
- 見知らぬ人よりも、「知っている嫌な人」に話しかけてしまう理由
- 人の話を聞かないのは、何も起こらないつまらない人生
- ただし情報を得たいなら、尋問よりも「きちんと聞く」方が効く
- ただの質問と、好奇心を持っての質問は全然違う
- Chapter4 親しい人との仲もレッテルからも「聞くこと」が守ってくれる
- 夫婦仲が悪くなったのは「相手が何を言うか分かっているから」という思い込み
- 親密であればあるほど、相手への誤解が多い
- 「出会った日とずっと同じ人間」なんていない
- 友情を維持する第一の方法は、「日常的な会話」
- 深く話を聴いたことがある人とは、久しぶりに会っても昨日のように戻れる
- 第三者がいるだけで会話の質が変わる
- 半分以上の人は、「心配事を仲のいい人には話さない」
- 自分自身にさえ打ち明けるのも恐ろしい思い出もある
- 相手を嫌いになるのは、理解してもらえると言う期待が裏切られたとき
- 親しくない相手の話を聞くときには先に分類してしまっている
- みんな「自分には先入観がない」と思いがち
- 私たちは、話すよりも前に「シグナリング」で判断している
- 「シグナリング」だけでは、人の本質はわからない
- 親しい人との仲も、知らない人への誤解も、「聴くこと」が守ってくれる
- Chapter5 「空気が読めない」とはそもそも何が起こっているのか
- 友人が「クビになった」と言ってきたら、何と声をかけますか?
- 「よい聞き手」とは、話し手と同じ感情になって聞ける人
- 相手が自分でも分かっていないことを引き出すのが聞き上手
- 「相手がなぜそれをあなたに言ったのか」をくむこと=共感
- 「事実」の奥には、必ず感情がある
- 人質交渉のポイントは「犯人に共感すること」
- 大量殺人犯の共通点は、「誰も話を聞いてくれなかった」こと
- 初対面の相手でも、身の上話は聞きだせる
- 自分の話だけする人は、チャンスを逃してしまう
- 相手の視点を受け入れることは、人間の器を大きくする
- Chapter6 「会話」には我慢という技術がいる
- うわのそらになるのは、「思考」が話よりも速いから
- 内向的な人が、聞き上手だというのは間違い
- 優れた聞き手は、余っている処理能力を頭の中での寄り道に使わない
- いちばん会話を邪魔するのは「自分は次に何を話そうか」という心配
- 「次に何を言おう」と考えている方がかえって不適切な返答をする
- 「うまい言葉」が、信頼関係に必要なわけではない
- 自分の考えを忘れて相手の話を聞いた方が結局面白い会話になる
- 話が正しく聞けないのは、「不安や上部の判断」にとらわれているから
- 「頭の中の寄り道」を我慢すれば会話はものすごくおもしろくなる
- 嫌なやつに対しても「きちんと聴こう」とうれば、不快感は減る
- Chapter7 反対意見を聞くことは「相手の言うことを聞かなければならない」ことではない
- 質問は、「好奇心」からでなくてはいけない
- 反対意見を聞くことは、人間にとっては生理的に「脅威」を感じること
- 解決をしたいなら、相手の意見を聞くしかない
- ソーシャルメディアは、誰にも邪魔されずに自分だけの現実をつくり出せる
- 自分が支持しないグループには「恐怖」すら抱いている
- 効果的な反対意見は、相手を理解してのみ可能
- 「自分が間違っているかもしれない」という可能性を考えながら聞く
- 「扁桃体」の活動量が多い人は、不安症やうつになりやすい
- 「原始的な扁桃体の反応」があることを知っておく
- 人として成長する唯一の方法は、反対意見に耳を傾けること
- 優れた聞き手は、「相容れない考え」に耐えられる
- グレーゾーンに耐えられる人は、アイデアを思いついたり、判断をするのが得意
- Chapter8 ビックヒットは消費者の声を「聴く」ことから生まれる
- アンケートの精度を上げるのも聞く力
- 消費者の無意識の意見を探り当てる「フォーカス・グループ・インタビュー」
- フォーカス・グループよりも、データを集める方が早くて安い
- フォーカス・グループにはお金がかかるが、効果は高い
- 名モデレーターは何を聞いているのか
- 聞き上手は「なぜ?」という質問を使わない
- 消費者の気持ちがわかったことで、ヒット商品が生まれた
- 人の感情や習慣は、データを超えてくる
- ヒトが創造できるのは「聴く」から
- そのデータがどういう意味を持つのかをわかっていないと結局意味がない
- うまく聞けば、自分ひとりでは絶対に見られなかったものが見られる
- Chapter9 チームワークは、話をコントロールしたいという思いを手放したところにやってくる
- もっとも生産性の高いチームは、全員の発言量が同じぐらい
- 「心理的安全性」は、相手の話を聴くことから始まる
- 会社員は、一日のうち約8割の時間を他の社員とのコミュニケーションに費やしている
- 即興劇が上手な人は、聞くことが上手
- チームとしての能力を高めるための「即興劇」研修
- 「注目を浴びたがる人」が聞くようになるまで
- 目立ちたい人は、自分が「十分ではない」ことをカバーするために自己顕示する
- 自分の空間の雰囲気は、自分でつくれる
- 自分を見せたいという欲求のせいで、ほかの可能性をなくしている
- 話をコントロールしようとすると、逆に進まない
- つまらないギャグを言う人は、たいてい人の話を聞いていない
- 相手とつながっているという感覚をいちばん実感できるのが「笑い」
- Chapter10 話にだまされる人、だまされない人
- 全員が同じように話を聞いているわけではない
- 会話に感受性が高い人は、隠された意味に気づける
- それぞれの視点から聞いた話をまとめたら最高の作品ができる
- その人の「プライベートな部分」に人はいちばん共感する
- 「通りいっぺんの話題」が、聞いていていちばんつまらない
- 「事前にその人について調べる」「たくさん質問をする」と人は積極的に話したくなる
- 優れた聞き手になるには「自分の弱さを理解する」
- 「自分」が何を気にしているか知っていることはよく聞ける耳を持つようなもの
- 先に相手に話させて、会話を操ったジョンソン元大統領
- 「自分の聞きたいようにしか聞かない」人はだまされやすい
- 優れた聞き手は、だますのもだまされているのを察知するのも上手
- つじつまが合わない会話をそのままにしておくことがだまされる原因
- 会話でわからなかったところをきちんと確認すればチャンスを見逃さない
- Chapter11 他人とする会話は、自分の内なる声に影響する
- 自分を批判する「内なる声」
- 「ひとりごと」は自分の中にいる他者の声
- ネグレクトされた子どもはひとりごとが少ない
- あなたのひとりごとは、自分を責めがち?他人を責めがち?
- 内なる声は、リアルの自分に大きな影響を与える
- 読書も、内なる声をつくる
- 内なる声は、あなたがどう現実に対応するかに大きな影響を与える
- 多くの人が、自分に批判的な内なる声を持っている
- 他人とする会話は、すべて自分の内なる声に影響している
- Chapter12 「アドバイスをしよう」と思って聞くと失敗する
- 聞き上手は、人を惹きつける
- ヘタな聞き手は「ずらす対応」を優れた聞き手は「受け止める対応」をしている
- 「ずらす対応」は、人とつながるチャンスを逃す
- 「自分はすごい」と見られたいだけの質問に気をつけよう
- 話に率直に耳を傾けるには、冒険心がいる
- 女性の方が、親身になって話を聞ける人が多い
- ネガティブな反応は、ポジティブな反応の5倍の強さで感じられる
- 「アドバイス」をしだす人は、きちんと相手の話を聞いていない
- 相手の状況を「感じとる」のが、深く聞くこと
- シンプルな質問は、本人も気づいていない答えを浮かびあがらせる
- いい質問のウラには、「救ってあげよう」「助言してあげよう」がない
- 自分の感情をひとまず置いて、先に相手の話を聞いてみよう
- 耳を傾けると、相手の問題解決の能力も上がる
- 日常で、家族に耳を傾けることは難しい
- 「広い質問」をすると、恋に落ちる?
- その人が変わっていく過程に耳を傾ける以上の愛があるでしょうか?
- 聴くことは、名作も生む
- Chapter13 騒音は孤独のはじまり
- 雑音の中から、聞きたい音が聞けるのはどうして?
- 話のニュアンスも、脳は聞きとれる
- 脳は、音のニュアンスも含めて話を判断している
- 同じことだけ聞いていると、現実のとらえ方が偏ってくる
- 右耳は言葉を聞きとり、左耳は感情を聞きとる
- あなたはどちらの耳をよく使っていますか?
- 音は、空気の圧縮を受けとって聞こえる
- 耳の神経は、体のどこの部位よりも多い
- 騒音は、音を聞きとる神経に傷をつける
- 難聴にならないために、騒音に気をつける
- 聞こえないときに、脳が勝手に補うから聞き間違いが起こる
- 難聴は孤独を生む
- しゃべっている様子も含めないときちんと話を聞いたことにならない
- 本音はだいたい伝わる
- 経験さえあれば、細かな表情はどんな人でも読みとれる
- 話すときの情報はとても多い
- しっかりと聞くために、この話は対面にするかそうでないか選ぶのもいい
- 電話は、技術的に「ぎりぎり話ができる程度」で作られている
- Chapter14 スマートフォンに依存させればさせるほど、企業は儲かる
- 携帯電話を見ている間に「何かを生み出す時間」を失っている
- スマートフォンの待ち時間が3秒以上かかるとイライラする
- 人々が注意力散漫であればあるほど、企業はお金になる
- 「速く聞く」と声のニュアンスも失われる
- 携帯電話があるだけでそのテーブルには親近感が生まれない
- 音が流れていると衝動買いをしやすくなる
- マルチタスクは幻想
- 家族の食事の時間があっても好奇心がある会話がないと意味がない
- 「聴くこと」は、最高の友情でもある
- 子どものころに話を聞いてもらった経験は人生に大きな影響を与える
- Chapter15 「間」をいとわない人は、より多くの情報を引き出す
- 売上ナンバーワンの営業マンは、何をやっているのか?
- お客さんに話してもらった方が、早いし楽な上、間違いも減る
- ほとんどの話には間がない
- 0.5秒以上の沈黙があると、人はそれを不満や罰だと解釈する
- すぐに返事がもらえないと、人は動揺する
- 自分が話さなかったからこそ、価値のあることが聞ける
- ほとんどの宗教が「沈黙」を大事にしている
- 交渉は、よく聞いていないと間違いなく失敗する
- 24時間だけでも話さないことに耐えられればより優れた聞き手になれる
- Chapter16 人間関係を破綻させるもっとも多い原因は相手の話を聞かないこと
- うわさ話は、私たちを社会のよい一員にする
- 「悪いうわさ」を聞くと、自己肯定感があがる
- うわさは、その集団にとってよくない人を罰したいときに生まれる
- 複雑すぎる人間関係を把握するのにはうわさが最適
- うわさは、集団が学習するための効率的なしくみ
- SNSは、早く大量にうわさを見られる
- うわさを聞けるあなたには、すでに信頼がある
- 「他者」に耳を傾けることは私たちが同じ人間であると実感すること
- 個人主義は、安心感を失わせる
- お互いの話を聞かないと、達成できることが減る
- 人生の大切なときに「耳を傾けなかった」ことを後悔するかもしれない
- 聞き逃したと気づいたときには、たいてい手遅れ
- もっとも多いネグレクトは、相手の話を聞かないこと
- Chapter17 だれの話を「聴く」かは自分で決められる
- 心からの笑いとつくり笑いの違い
- 話は、お互いの協力で成り立つもの
- 話すときは、相手に「期待して」いる
- いちばんイライラするのは、期待通りの会話をしない人
- 誰もが、同じ関心や理解力を持っているわけではない
- 「最高の会話」では、どちらが話していても、ふたりが互いに熱心に耳を傾けている
- なぜあの人は、婚活でも自分の話だけしてしまうのか
- 相手に「自分についてこう感じてほしい」と説得するのは意味がない
- 聞く時間が長いと疲れる
- 優れた聞き手は、自分の限界を知り、無理をしない
- その人の話を聴くと苦しくなる人は有害な人
- 「聴く」過程が、人を親密にさせる
- 聞いたことの記録をつけると、自分がどういう人間かもわかってくる
- 相手の言葉をじっくり考えることは自分の心にその人を招き入れること
- 現代人は、聞かれることに罪悪感を覚える
- 打ち明け話をしてしまうと、人は動揺する
- 話を聞ける間柄でいたいなら勝手の人の話を暴露しない
- しかし、「聴く」ことは自分の狭い視野を広くする
- 「聞かない」なら、相手を傷つけると知った上で選択する
- あなたが話を聴きない人は、どんな人だろうか
- Chapter18 「聴くこと」は学ぶこと
- 満員の教会の告解質
- 一度弱みを見せることを経験した人は、相手を尊重できる
- 努力をすれば、「聴くこと」は上手になる
- 話を聴かないことは、変わりゆく世界に踏み出さず、自分に閉じこもること
- だれかの話を聴くのは尊敬の証
- 優れた聴き手は、愚かな人を見わける