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【注目点・感想】Web3コンテンツ革命 個人と企業の経済ルールが変わる:高橋卓巳(著)

本「Web3コンテンツ革命」アイキャッチ画像

NFTに特化したWeb3スタートアップを4年間経営してきた現場で得られた知見を整理し、これからのWeb3時代に向けてサービスやコンテンツを開発する人にとっての指針となり得る一つの見方を解説している本です。

これまでWeb3についてネット記事や本を読んで知っている人、Web3プロジェクトに関わっている人が、特にNFTとゲーム分野について、最新動向を把握しこれから起きる(起こす)イノベーションを考えるために一読をおすすめします。

本の概要注目点感想・口コミ・書評記事参考文献、を紹介します。

本の概要

書誌情報

高橋 卓巳(著)日経BP(出版社)2022/9/24(発売日)216P(ページ数)

著者紹介

高橋 卓巳たかはしたくみ

株式会社Kyuzan 創業者兼CEO

2018年4月4日に研究室の先輩である小宮山凌平とNFTスタートアップKyuzanを創業。いち早くNFTの普及の可能性を見抜き、国内最大級のNFTゲームと、最も多くの国内事業者に使用されるNFTソリューションを開発。(amazon.co.jp著者について、より一部引用)

著者が伝えたいこと

著者はこの本を通じて伝えたいことを以下のように述べています。

「本書は、NFTに特化したWeb3スタートアップを4年間経営してきた現場で得られた知見を整理することで、これからWeb3時代の到来に向けてサービスやコンテンツを開発する皆さんにとっての指針となり得る一つの見方を提示しました。」

「そんな私が経験したこの4年で見てきたことを、整理してこの本にギュッと詰めました。NFTの世界に起こったことをしっかりと知っていただければ、きっと同じ失敗をせずに済むでしょう。そしてNFTやWeb3コンテンツの市場で、次に何をやらなければならないかがきっと理解いただけるはずです。」

本の目次

本の目次を引用して紹介します。

  • はじめに
  • 1章 NFTがコンテンツ経済をリビルドする
    • 世界の最先端はここまで来ている。侵食されるリアル社会、そして融合へ
  • 2章 メタバース=Web3ではない
    • 14年にウッド氏が鳴らした警鐘。ネットの何が変わり、どう進化するのか
  • 3章 「GAFAMの支配力が弱まる」のウソ
    • 単なる様子見か、水面下でこっそりか。5大IT企業、Web3への本音
  • 4章 どうすればWeb3時代に生き残れるのか
    • 映画、音楽、コミック…。強いIPフル活用。魅力あるサービスのつくり方、広め方
  • 5章 10年後のゲーム産業・エンタメ産業の姿
    • あらゆるエンタメコンテンツをゲームが丸ごとのみ込む未来
  • あとがき

もっとくわしく見たい場合は記事の最後に、本の目次(詳細版)があります。

注目点

この本にはどのようなことが書かれているのか、注目した点を3つ紹介します。

ニューヨークで示された未来への道筋

1つ目に注目した点は「1章 NFTがコンテンツ経済をリビルドする」に書かれている「ニューヨークで示された未来への道筋」です。

2022年6月に米国ニューヨークで開催された「NFT・NYC」には世界各地から約1万6,000人が集結し、講演やパーティー、約450ものサテライトイベントで著名なNFTプロジェクトや大手企業などが相次ぎ革新的な新サービスを発表しました。

著者は「NFT・NYCで、コミュニティーの熱量と、次のフェーズに着実に進んでいることが確認できた」として、今NFTを巡って起こっているビックトレンドについて、以下のように述べています。

今NFTを巡って起こっているビッグトレンドは、大きく3つある。

1つ目はNFTを日常的に活用するための新しいユーティリティー(利活用方法)の登場であり、2つ目はリアル世界も巻き込んだブランド化

そして3つ目は既存のリテールサービスとの融合──だ。

高橋 卓巳. Web3コンテンツ革命 個人と企業の経済ルールが変わる (Japanese Edition) (Kindle の位置No.172-173). Kindle 版.

アマゾンを悩ます”ウォレット問題”

2つ目に注目した点は「3章 『GAFAMの支配力が弱まる』のウソ」に書かれている「アマゾンを悩ます”ウォレット問題”」です。

著者は「Web3によって最も大きな変化が生じる可能性があるのが、アマゾンと商品を提供するメーカーに関係だ。Web3によって再構築され、これまでにない新たなマーケティング手法が生まれるのだ。」と述べています。

商品を開発するメーカーはロイヤルカスタマーの購買履歴を入手したくても、アマゾンなどECサイトやリアル店舗に購買履歴が分かれて保管されており、個人情報保護のためそれらのデータを集めることはできない。

著者は「Web3がこの問題を解決する。」として、以下のように説明しています。

Web3ネット上で利用者は、常に自身のウォレットを介して保管してある暗号資産を使って決済を行う。

ウォレットには利用者を一意に特定できるデータが書き込まれている。

ウォレットが本人の証明書代わりになるのだ。

この性質を利用して、ECサイトでの決済はもちろんのこと、リアル店舗における支払いでもウォレットを使って支払った買い物も理論上は特定できることになる。

また、ウォレットは偽名での取引になるため、完全な個人情報を提供する必要はない。

この点がクレジットカードなどとの大きな違いになる。

高橋 卓巳. Web3コンテンツ革命 個人と企業の経済ルールが変わる (Japanese Edition) (Kindle の位置No.774-779). Kindle 版.

ヒットの鍵は「すぐに買えないNFT」

3つ目に注目した点は「4章 どうすればWeb3時代に生き残れるのか」に書かれている「ヒットの鍵は『すぐに買えないNFT』」です。

著者はNFTプロジェクトの成功に向けた、懸念と理想を以下のように述べています。

「懸念があるとすれば今後はNFTの売買がより簡単になることで、コミュニティーに対する熱量が薄まってしまう可能性があることだ。」

「理想は、将来提供されるユーティリティーや新しいコンテンツに対してプライスレスな価値を感じ、コミュニティーに残り続けてくれる人を獲得すること。」

それではどのようにしたら良いのでしょうか?著者は以下のような方法を提案しています。

こうしたことを踏まえると、今後はNFT取得までの道のりをエンタメ化していくことが肝心になっていくと筆者は考える。

要は、単にお金を出すだけでは手に入らないNFTや、苦労を経れば無料で獲得できるNFTなどだ。

高橋 卓巳. Web3コンテンツ革命 個人と企業の経済ルールが変わる (Japanese Edition) (Kindle の位置No.992-994). Kindle 版.

感想・口コミ・書評記事

感想

この本を購入した理由は、久しぶりのWeb3本であることと、表紙に書かれている「大きな誤解と本当のイノベーション」という内容にひかれたことです。

読んでみて内容は期待にたがわず、「大きな誤解」については、「2章 メタバース=Web3ではない」、「3章 『GAFAMの支配力が弱まる』のウソ」の中で、これまでの本では分かりやすく説明するために断定して表現しているがために誤解を生んでしまっていることについて解説しており、より理解を深めることができた。

「本当のイノベーション」については、「4章 どうすればWeb3時代に生き残れるのか」、「5章 10年後のゲーム産業・エンタメ産業の姿」の中で、著者が過去4年間Web3スタートアップを経営してきた現場で得られた知見と2022年春以降の最新動向を踏まえて、今後のNFTについて筆者の考えとプロジェクトを提案しており、何度も読み返したい内容になっている。

この本の発売日は2022年9月24日であるにもかかわらず、6月に米国で開催された「NFT・NYC」の紹介から始まり、米Yuga Labsが発表したメタバースサービス「Otherside」や、Instagramが8月にNFTをシェアする機能を展開し始めたことなど、直近の海外動向まで紹介しており期待以上の内容だった。

これまでWeb3についてネット記事や本を読んで知っている人、Web3プロジェクトに関わっている人が、特にNFTとゲーム分野について、最新動向を把握しこれから起きる(起こす)イノベーションを考えるために一読をおすすめする本です。

高橋 卓巳(著)日経BP(出版社)2022/9/24(発売日)216P(ページ数)

口コミ

書評記事

Coming Soon...

参考文献

この本にあわせて読むことをおすすめする、文献やブログ記事を紹介します。

Web3とDAO 誰もが主役になれる「新しい経済」:亀井 聡彦, 鈴木 雄大, 赤澤 直樹(著)

Web3というインターネットの転換点と、その背景にあるDAOという新しいコミュニティについて、概要・本質・哲学を、インターネットの歴史を振り返りながら解説している本です。

この本の注目点や感想、本の目次などをブログ記事で紹介しています。

亀井 聡彦, 鈴木 雄大, 赤澤 直樹(著)けんぞう, 田所 未雪(ナレーション)かんき出版(出版社)2022/7/6(発売日)240P(ページ数)

Web3がわかる本おすすめ

NFTがわかる本おすすめ

まとめ

本の概要注目点感想・口コミ・書評記事参考文献、を紹介しました。

NFTに特化したWeb3スタートアップを4年間経営してきた現場で得られた知見を整理し、これからのWeb3時代に向けてサービスやコンテンツを開発する人にとっての指針となり得る一つの見方を解説している本です。

これまでWeb3についてネット記事や本を読んで知っている人、Web3プロジェクトに関わっている人が、特にNFTとゲーム分野について、最新動向を把握しこれから起きる(起こす)イノベーションを考えるために一読をおすすめします。

高橋 卓巳(著)日経BP(出版社)2022/9/24(発売日)216P(ページ数)

本の目次(詳細版)

この本の目次(詳細版)を引用して紹介します。

  • はじめに
  • 1章 NFTがコンテンツ経済をリビルドする
    • 世界の最先端はここまで来ている。侵食されるリアル社会、そして融合へ
    • NFTはどこが画期的だったのか
    • ニューヨークで示された未来への道筋
    • NFTのブランド化が始まる
    • NFTとリテールの融合
  • 2章 メタバース=Web3ではない
    • 14年にウッド氏が鳴らした警鐘。ネットの何が変わり、どう進化するのか
    • デジタルオーナーシップのメリット
    • 代表的なWeb3サービスはこうなっている
    • メタバースとはどんな関係にあるのか
    • Web3とWeb2.0は対立軸にはない
    • 理解を深める3つのキーワード
    • Web3が抱えるアーキテクチャ問題
    • 実はWeb3に懐疑的な人たち、その主張とは
  • 3章 「GAFAMの支配力が弱まる」のウソ
    • 単なる様子見か、水面下でこっそりか。5大IT企業、Web3への本音
    • Metaがメタバース開発を急ぐワケ
    • AppleとGoogleが失うもの、失わないもの
    • アマゾンを悩ます”ウォレット問題”
    • Web3とWeb2.0をどう橋渡しするか
    • マイクロソフトが「MetaMask」出資の衝撃
    • 不透明な企業向けサービスの先行き
  • 4章 どうすればWeb3時代に生き残れるのか
    • 映画、音楽、コミック…。強いIPフル活用。魅力あるサービスのつくり方、広め方
    • NFTを売るだけ、では勝てない
    • ヒットの鍵は「すぐに買えないNFT」
    • 複雑なコンテンツ権利をいかに組み込むか
    • 著作権放棄「CC0」の是非
    • デジタルオーナーシップだからこその表現を
    • リアルでの”Token Gated Experience”
    • 日本ファーストか、最初からグローバルか
  • 5章 10年後のゲーム産業・エンタメ産業の姿
    • あらゆるエンタメコンテンツをゲームが丸ごとのみ込む未来
    • Fortniteの音楽ライブに1200万人が集う
    • コンテンツが生み出される装置
    • クリエイターエコノミーの勃興
    • Web3時代にヒットするゲームの条件
    • ガバナンストークンがゲームを動かす
    • 「Play to Earn」だけが価値ではない
  • あとがき

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