「画像生成AI」が注目されている理由から、仕組み、使い方、活用方法、法律上の問題、今後の進化まで、エンジニアでなくても基本的な知識が習得できるよう、対話形式と図表で、専門家によって解説されている本です。
- 画像生成AIに興味がある人
- 画像生成AIを使っている人
- 画像生成AIの仕組みを知りたい人
- AIの最新動向に関心がある人
- トレンドに敏感なビジネスパーソンやクリエイター
などに一読をおすすめします。
この本を読み終えてみて、画像生成AIを使う上での全体像と基本的な考え方や、法律上の問題を知ることができて、画像生成AIをより興味関心を持って今後使っていこうと思いました。
それでは、私が実際に読んでみてどのような内容だったのか、本の概要、注目点、感想・口コミ・書評記事、参考文献、を紹介します。
本の概要
書籍情報
著者紹介
この本の著者について、「著者プロフィール」から一部引用して紹介します。
深津 貴之(ふかつ・たかゆき)
インタラクションデザイナー。
2009年の独立以降は活動の中心をスマートフォンアプリのUI設計に移し、株式会社Art&Mobile、クリエイティブファームTHE GUILDを設立。
執筆、講演などでも精力的に活動。
水野 祐(みずの・たすく)
弁護士(シティライツ法律事務所)。Creative Commons Japan理事。Arts and Law理事。九州大学グローバルイノベーションセンター(GIC)客員教授。グッドデザイン賞審査委員。
テック、クリエイティブ、都市・地域活性化分野のスタートアップから大企業、公的機関まで、新規事業、経営戦略に関するハンズオンのリーガルサービスを提供している。
酒井 麻里子(さかい・まりこ)
ITライター。
企業のDXやデジタル活用、働き方改革などに関する取材や、経営者・技術者へのインタビュー、技術解説記事、スマホ・ガジェット等のレビュー記事などを執筆。
メタバース・XRのビジネスや教育、地方創生といった分野での活用に可能性を感じ、2021年8月よりWEBマガジン『Zats VR』(https://vr-comm.jp/)を運営。
著者が伝えたいこと
著者はこの本を通じて伝えたいことを以下のように述べています。(「はじめに」から一部引用)
この本は、画像生成AIについての解説書であり、一冊でその動向を学ぶことができます。
専門用語を極力避け、わかりやすい言葉で説明するように努めました。
本書では、画像生成AIの経緯や仕組み、実際の使い方や活用方法の例、法的な解釈、社会課題などを幅広く取り上げています。
AIによって、私たちの生活がより豊かになる未来を楽しみにしつつ、まずは本書を手に取って、AIを触ってみましょう。
本の目次
本の目次を引用して紹介します。
- はじめに
- プロローグ
- Chapter1 注目が集まる「画像生成AI」の世界
- Chapter2 AIで画像を生成してみよう
- Chapter3 画像生成AIの活用方法
- Chapter4 生成した画像の著作権など法律上の問題を知ろう
- Chapter5 画像生成AIの未来
- おわりに
もっとくわしく見たい場合は記事の最後に、本の目次(詳細版)があります。
注目点
この本はどのようなことが書かれているのか?読んでみて注目した点を3つ紹介します。
画像生成AIはどうやって使うの?
1つ目に注目した点は「Chapter1 注目が集まる『画像生成AI』の世界」に書かれている「画像生成AIはどうやって使うの?」です。
著者は「現在主流となっている画像生成AIでは、入力したテキストから画像を作り出すのが基本です。このテキストをどう入力するかによって結果が変化します。」と述べています。
より正確な絵を作りたいときに、指示文章「プロンプト」をどうしたらいいか?について、以下のように著者は説明しています。
経験則としては、文章の手前に書くものほど影響力が強くなる傾向があります。
なので、まずは「水彩画」「油絵」のような全体像を指定して、そのあとに絵の主題、続いて絵を補足するものや、画風を指定する言葉を入れるのがおすすめです。
深津貴之, 水野祐, 酒井麻里子. 先読み!IT×ビジネス講座 画像生成AI (Japanese Edition) (p.21). Kindle 版.
画像生成AIの得意分野・苦手分野は?
2つ目に注目した点は、「Chapter3 画像生成AIの活用方法」に書かれている「画像生成AIの得意分野・苦手分野は?」です。
著者は「コツを覚えれば高いクオリティの絵を思い通りに生成できるのが画像生成AIの魅力ですが、どんな画像でも作れるわけではありません」と述べています。
そして、画像生成AIが苦手とする画像を、以下のように著者は説明しています。
1つの画像の中に人や動物、モノなどのオブジェクトが複数存在していて、さらにそれぞれの関係性を正確に描写する必要があるものは苦手ですね。
(中略)
複数の動物を同時に描くことや、「犬と猿とキジは味方同士で、鬼が敵」という関係性をきちんと再現することが、現段階のAIでは難しいんですよね。
深津貴之, 水野祐, 酒井麻里子. 先読み!IT×ビジネス講座 画像生成AI (Japanese Edition) (p.72-73). Kindle 版.
日本の法整備は海外に比べて進んでる?遅れてる?
3つ目に注目した点は、「Chapter4 生成した画像の著作権など法律上の問題を知ろう」に書かれている「日本の法整備は海外に比べて進んでる?遅れてる?」です。
著者は「日本の著作権法では、一定の条件を満たすことでAIによる学習のために他人の著作物を使うことが認められています。海外ではどんなルールになっているのでしょうか?日本との違いを知っておきましょう。」と解説しています。
ヨーロッパやアメリカの現状と日本について以下のように説明しています。
ヨーロッパでは、学術研究目的での情報解析はOKで、営利目的での情報解析は権利者側が学習を禁止することが認められています。
また、アメリカの場合はフェアユース規定という形で法律が定められています。(中略)何が公正な利用かは事後的に裁判所で判断される仕組みになっています。
(中略)
日本は欧米に比べてルールが遅れていると思われがちですが、AIによる学習に関するルールでは、世界的にもおそらく一番進んでいる国だと思いますよ。
深津貴之, 水野祐, 酒井麻里子. 先読み!IT×ビジネス講座 画像生成AI (Japanese Edition) (p.102-103). Kindle 版.
感想・口コミ・書評記事
感想
画像生成AIについて興味は持っていましたが、全体像を理解できていなかったのでこの本を読んでみました。
読み終えてみて、画像生成AIサービスで作った画像を個人で公開しない範囲で見る上では気にする必要はありませんが、ソーシャルメディアなどでネット上に公開したりビジネスで使う上では、著作権など法律上などの問題を理解して使う必要がある、ということが分かりました。
現在の画像生成AIブームは、2019年ごろ話題になったNvidiaの「StyleGAN(スタイルギャン)」から始まり、2021年にOpenAIがDALL•Eを発表し、2022年にMidjourneyやStable Diffusionがリリースされたことで一気に注目を集めるようになったという、歴史やそれぞれのサービスの違いを知ることができました。
画像生成AIがテキストから画像を作り出す仕組みが、「拡散モデル(ディフュージョンモデル)」と呼ばれるAIのモデルをベースにしていて、ノイズが入ったぼんやりした画像からノイズを消してクリアな画像をつくるAIである「ディフュージョン」と、画像とテキストの関係性を判断するAI技術である「クリップ」という2つの技術から成り立っているという、文章と図による解説がわかりやすかったです。
Chapter4の著作権など法律上の問題については、「AIモデルの学習段階」「画像生成AIの利用段階」「クリエイターとの共存」「必要なルールメイク」の観点から、現在明らかなことと明確に決まっていないことがわかりやすく解説されており、今後画像生成AIを使う上で注意しなければいけないことが分かりました。
今後は、この本を読み返しながら自分で画像生成AIをどのように使うかを考えて、実際に画像生成AIサービスを使ってみようと思っています。
画像生成AIについて興味がある人や使いはじめた人は(特にビジネスで使うことを考えている人は)、この本を一通り読むことをおすすめします。
口コミ
書評記事
【先読み!IT×ビジネス講座 画像生成AI】感想・レビュー|はるパパ@お金の教育blog
参考文献
この本に参考文献の記載はありませんでした。
関連するブログ記事を紹介します。
画像生成AIがわかる本おすすめ
生成AIがわかる本おすすめ
ChatGPTがわかる本おすすめ
まとめ
本の概要、注目点、感想・口コミ・書評記事、参考文献、を紹介しました。
「画像生成AI」が注目されている理由から、仕組み、使い方、活用方法、法律上の問題、今後の進化まで、エンジニアでなくても基本的な知識が習得できるよう、対話形式と図表で、専門家によって解説されている本です。
- 画像生成AIに興味がある人
- 画像生成AIを使っている人
- 画像生成AIの仕組みを知りたい人
- AIの最新動向に関心がある人
- トレンドに敏感なビジネスパーソンやクリエイター
などに一読をおすすめします。
この本を読み終えてみて、画像生成AIを使う上での全体像と基本的な考え方や、法律上の問題を知ることができて、画像生成AIをより興味関心を持って今後使っていこうと思いました。
本の目次(詳細版)
この本の目次(詳細版)を引用して紹介します。
- はじめに
- プロローグ
- Chapter1 注目が集まる「画像生成AI」の世界
- 画像生成AIってどんなサービス?
- なぜ今、画像生成AIが注目されているの?
- 画像生成AIは、どんなところから広がった?
- 画像生成AIはどうやって使うの?
- 画像生成AIを使うのに英語力は必須?
- 画像生成AI周りには、どんなプレーヤーがいる?
- 画像生成AIが絵を作り出す技術的な仕組みは?
- 画像生成AIサービス8選
- [column] 画像生成AIは検索エンジンのようなもの?
- Chapter2 AIで画像を生成してみよう
- AIで画像を作り出すためのコツを知ろう
- キーワードから画像を生成してみよう
- 語順によって生成結果は変わる?
- 思い通りの画像を生成するには?
- サービスによって生成される画像は違う?
- 画像生成AIを使うときに注意すること
- [column] 生成される画像は「一期一会」?
- Chapter3 画像生成AIの活用方法
- 画像生成AIの登場で仕事の進め方はどう変わる?
- 画像生成AIの得意分野・苦手分野は?
- ビジネス資料などでAI画像を使うときのポイントは?
- ゲームの制作で、画像生成AIが活躍する?
- 絵の描ける人も、画像生成AIは有効活用できる?
- 画像生成AIはクリエイターの敵?味方?
- AIで作られた偽画像を見分ける方法はあるの?
- 画像生成AIは全人類の表現力をワンランク上げるもの
- [column] 不適切画像を出さないようにする対策はいたちごっこ
- Chapter4 生成した画像の著作権など法律上の問題を知ろう
- 著作権などのルールはどうなっているの?
- 他人の作品をAIの学習行為に使うことは問題ないの?
- 日本の法整備は海外に比べて進んでる?遅れてる?
- 自分の絵を学習に使われたくない場合は?
- AIの生成物に著作権は認められるの?
- 他人の著作物に似たものを作るとどうなる?
- たまたま他人の作品にそっくりの画像ができたらどうなる?
- 画像生成AIの利用時に意識ておくべきルールは?
- 法律に反していなければOKなの?
- 問題のある絵が生成されてしまったら?
- 画像生成AIサービスを開発する場合の注意点は?
- イラスト投稿サイトや素材サイトの対応は?
- 今後必要なルールメイクは?
- [column] 知っておきたい「CC0」について
- Chapter5 画像生成AIの未来
- 画像生成AIは、これからどうなるの?
- 画像生成AIは今後どう進化していく?
- ほかのクリエイティブ分野でのAI活用の可能性は?
- クリエイターは画像生成AIとどう共存していけばいい?
- ビジネスパーソンがAIと上手に付き合うには?
- [column] デザインを評価するAIもある
- おわりに