受験生の子どもがいるお父さん・お母さんにおすすめする子育ての本を紹介します。
でも仕事や家事で忙しくて、子育ての本なんか読んでいる時間がない、と思っていませんか?
この本はAudible(オーディブル)オーディオブックがあるので、散歩や家事、通勤中に”聞く読書”ができます。
再生時間は、等倍で2時間24分(1.5倍速で1時間36分)です。
本の概要
著者の岸見 一郎さんは、philosopher (Greek philosophy), psychologist (Adlerian psychology) 。
専門は、ギリシア哲学、アドラー心理学。著書に『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』『人生を変える勇気』など多数。(Twitterプロフィールより一部引用)
著者は子どもの勉強について前提とする考え方を「たとえ子どもが勉強を怠っていい成績を取なくても子どもだけが困るのであり、勉強しなかったことの責任は子ども自身が取るしかありません。(中略)子どもの課題である勉強については子どもに一切何も言わないことを私は親に勧め、そうすることが最善だと考えています。」と述べています。
そして著者は「本書では子どもの課題ではあるけれども親がどうすれば子どもの勉強を援助できるのか、その方法について明らかにしています。」と述べています。
注目点3つ
私がこの本を読んで注目した点は以下の3つです。
無視されるより叱られた方がまし
子どもを上から目線で見ない
地道な努力をしない成功は、すぐ失われる
以降でこれらの注目点を詳しく紹介します。
注目点(1)無視されるより叱られた方がまし
1つ目の注目点は「無視されるより叱られた方がまし」です。
この言葉は、子どもが親から無視されるより、叱られた方がましと思って、あえて叱られる行動をとってしまう状況を表しています。
子どもが勉強でいつも望むような結果を出せるとは限りません。
その時、親が自分を見捨てるのではないかと思った子どもは、親の注目・関心を自分にひきつけるために親が一番困ることをします。
つまり、悪い成績を取ること、勉強をしないことです。
そうすれば親は叱るでしょうが、もはや見込みがないと無視されるよりは、親からせめて叱られるという形で注目される方がいいと思ってしまうのです。
岸見一郎(著)子どもをのばすアドラーの言葉:第1章 叱らない、ほめない子育て
子どもは親から注目されるために、勉強することと、勉強をしないこと、が表裏一体で同じ意図を持っているということが印象に残りました。
注目点(2)子どもを上から目線で見ない
2つ目の注目点は「子どもを上から目線で見ない」です。
この言葉は、子どもが親の言うことを素直に受け止めるための日頃の親子関係のあり方を表しています。
まず、子どもと親は知識や経験の点では違いはあっても、人間としては対等だということをしっかり親が理解していることが必要です。
上から目線を子どもは嫌います。勉強について子どもと話すためにとる手続きが煩さであるとか、なぜ子どもにこんなもの言いをしなければいけないのかと思った人は要注意です。
必要なのはこの人なら自分の課題である勉強について相談してみようと思えるような親になることです。
そのためには勉強以外の面で子どもとの良好な関係が築かれている必要があります。
岸見一郎(著)子どもをのばすアドラーの言葉:第2章 勉強ができる子、できない子
赤ん坊の頃から世話をしてきた子どもに対して対等だと考えることは、すぐに受け入れて行動することは難しいと感じる人がいると思い、印象に残りました。
注目点(3)地道な努力をしない成功は、すぐ失われる
3つ目の注目点は「地道な努力をしない成功は、すぐ失われる」です。
この言葉は、勉強は結果さえ出せればいい、と子どもが思わないようにする考え方を表しています。
勉強は優秀であると思われるためにするものではなく、人に役立つためにするものです。(中略)
仮に地道な努力をせずに成功したとしても、そのような成功はすぐに失われてしまいます。
親はただ結果さえ出せればいい、というものではないことを子どもに教えなければなりません。
そのためには結果ではなく、がんばったねという風に結果に至る過程に注目する言葉をかけましょう。
思うような点数を取れなかった時も、失敗することを恐れずに次回も挑戦できるように子どもを叱ってはいけません。
岸見一郎(著)子どもをのばすアドラーの言葉:第3章 一生強く生きられる勇気づけ
子どもも親も勉強の結果に着目して一喜一憂してしまいがちなので、結果に至る過程に着目することの大切さが印象に残りました。
感想・評判・口コミ
感想
この本を読んで、子育てにおいて自己肯定感や自己責任感を育むことが重要であるということを再認識しました。
アルフレッド・アドラーの心理学をベースに、子育てにおけるさまざまな問題や課題に対して、アドラー流のアプローチを提案しています。
例えば、子どもが「わがまま」を言って困っているときには、子どもが自分の行動の結果を受け止めることができるように、親が子どもに自己責任感を持たせることが大切であるということが説明されています。
また、子どもたちが自己肯定感を育むことができるように、親が子どもを信じ、尊重し、受け止めることが重要であるということも強調されています。
親が子どもをのばすための心理学的アプローチを分かりやすく解説しているため、子育てにおいて悩んでいる人にとって、非常に有益な一冊であると感じました。
子育ては、親自身が成長する機会でもあります。
この本を読むことで、親自身が自己肯定感や自己責任感を育むことができ、子どもたちにとってより良い環境を整えることができると思います。
評判・口コミ
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まとめ
「子どもをのばすアドラーの言葉」を読んで注目した点を3つ、感想・評判・口コミなどを紹介しました。
無視されるより叱られた方がまし
子どもを上から目線で見ない
地道な努力をしない成功は、すぐ失われる
子どもの課題ではあるけれども親がどうすれば子どもの勉強を援助できるのか、について書かれています。
受験生の子どもがいるお父さん・お母さんにおすすめする子育ての本です。
でも仕事や家事で忙しくて、子育ての本なんか読んでいる時間がない、と思っていませんか?
この本はAudible(オーディブル)オーディオブックがあるので、散歩や家事、通勤中に”聞く読書”ができます。
本の目次
この本では他にも子育ての考え方を変える言葉があります。
「子どもを伸ばすアドラーの言葉」の目次について章タイトルと節タイトル(一部)を引用して紹介します。
- まえがき
- 第1章 叱らない、ほめない子育て
- 親とて子どもの人生を決められない
- ありのままの子どもを見よう
- 子どもが失敗した時は子どもが責任を取る
- 見ている人がいるからゴミを拾うのか?
- 無視されるより叱られた方がまし
- 子どものことは親が一番よく知っているという思い込み
- 「悪い親」がいるのではない、「下手な親」がいるのだ
- 体罰に正義などない etc.
- 第2章 勉強ができる子、できない子
- 知らないことを知る喜び
- 勉強がつらいとやめてしまう子、続けられる子
- 勉強は家事の手伝いより大切か?
- 受験生だからといって家族の中で特別視しない
- 子どもを上から目線で見ない
- もしもゲームをしなければもっといい成績が取れたのに!?
- 子どもにイライラしたら見ないようにする etc.
- 第3章 一生強く生きられる勇気づけ
- 自分にはできないと思い込まない
- メダルを取れなかったら、謝るのか
- 子どもの長所に光を当てよう
- 自分には価値がある、と思えるのか
- 劣等感は今の自分より前に進む原動力
- 地道な努力をしない成功は、すぐ失われる
- 子どもが自分自身の判断で、子どもの人生を決める etc.