書籍「ChatGPTの衝撃」は、ChatGPTの基本的な概念や仕組み、ビジネス・専門から日常・遊びまで具体的な活用例、使う上での注意点やリスクについて、入門書として解説している本です。
ChatGPTに関心がありどんなことができるのかを知りたい人、ChatGPTを使っていてもっと有効に活用したい人、に一読をおすすめします。
本の概要、注目点、感想・口コミ・書評記事、参考文献、を紹介します。
本の概要
書籍情報
タイトル | ChatGPTの衝撃 AIが教えるAIの使い方 |
著者 | 矢内 東紀 |
出版社 | 実業之日本社 |
発売日 | 2023/5/29 |
単行本ページ数 | 192 |
著者紹介
矢内 東紀(やうち・はるき)
経営者、著作家、投資家。
2023年5月にChatGPTを活用したブレインウェーブコンサルティング株式会社、プロンプトテックスターズ株式会社の2社を創業し、代表取締役社長に就任。
Twitterアカウント: @eraitencho
著者が伝えたいこと
著者はこの本を通じて伝えたいことを以下のように述べています。(「はじめに」から一部抜粋して引用)
今回のChatGPTの登場は、これまで「人間の仕事」だと考えられてきた領域にまでその影響が及ぶという点が衝撃的で、それが本書のタイトルにもつながっている。
読者の皆様には今一度、「週40時間、1日8時間働く必要が本当にあるのか?」と考えてみてほしいのだ。
本書を元にChatGPTを使いこなし、資本の言説から解き放たれる人間が一人でも多ければ、これほどこれほどうれしいことはない。
本の目次
本の目次を引用して紹介します。
- はじめに
- 第1章 ChatGPTの衝撃
- 第2章 ChatGPTのできること【基本・ビジネス編】
- 第3章 ChatGPTのできること【専門・日常・遊び編】
- 第4章 ChatGPTをさらに使いこなす方法
- 第5章 ChatGPTの技術的な背景と未来
- おわりに
もっとくわしく見たい場合は記事の最後に、本の目次(詳細版)があります。
注目点
この本はどのようなことが書かれているのか?読んでみて注目した点を3つ紹介します。
企画書の作成
1つ目に注目した点は「第2章 ChatGPTのできること【基本・ビジネス編】」に書かれている「(4) 企画書の作成」です。
著者は、ChatGPTを用いた企画書作成では、さまざまな側面で助けを得ることができ、以下の具体例をあげています。
- アイデアのブレインストーミング
- 文章の校正と改善
- 企画書の構成の改善
- ターゲット市場や競合分析
- 予測やシミュレーション
企画書作成補助の質問例として以下のようなプロンプトを紹介し、出力結果に対するコメントを述べています。
【質問例】あなたはテレビ局のディレクターです。「ChatGPT」に関する特集を組むにあたって、企画書を作る必要があります。企画書案を作成してください。
企画書などは比較的書き手の創造性が重要だと思われている節もあったが、実はそうではない形式的な作業の一つであるといえるのかもしれない。
矢内 東紀. ChatGPTの衝撃 (p.56, p58). Kindle 版.
このプロンプトを実際にChatGPT(GPT-3.5)に入力してみました。結果はこちら。
AI同士で議論させてみる
2つ目に注目した点は「第3章 ChatGPTのできること【専門・日常・遊び編】」に書かれている「(8) AI同士で議論させてみる」です。
著者は、「プロンプトの入力に注意して、賛成と反対の意見をそれぞれ取得し、まとめて表示することでディベートのような形にすることができます。」と述べています。
質問例として、以下のようなプロンプトを紹介しています。
【質問例】たこ焼きにタコを2つ入れるというアイデアについて、賛成/反対の立場から論拠を明示しつつ甲と乙に分かれて議論してください。最終的にディベートの勝者を決めてください。
矢内 東紀. ChatGPTの衝撃 (p.133). Kindle 版.
このプロンプトを実際にChatGPT(GPT-3.5)に入力してみました。結果はこちら。
ChatGPTモデルの限界と倫理的懸念
3つ目に注目した点は「第5章 ChatGPTの技術的な背景と未来」に書かれている「ChatGPTモデルの限界と倫理的懸念」です。
著者は、ChatGPTモデルの限界と倫理的懸念は重要なことだとして、以下の項目をあげています。
- データの隔たりとバイアス
- 不正確な情報
- 悪意ある使用
- 個人情報の漏洩
- 意図しない応答
これらへの対策について、以下のように述べています。
対策として、モデルの開発者はデータのバイアスや不正確さに対処し、モデルを改善するための努力を続けています。
また、モデルの利用においては、倫理的なガイドラインや規制が適切に策定され、遵守されることが重要です。
矢内 東紀. ChatGPTの衝撃 (p.181). Kindle 版.
感想・口コミ・書評記事
感想
この本を読んでみて、私にとって特に印象に残ったのは、「第2章 ChatGPTのできること【基本・ビジネス編】」、「第3章 ChatGPTのできること【専門・日常・遊び編】」でした。
第2章と第3章で、ビジネス・専門から日常・遊びの全部で20項目について、それぞれ10個以上もChatGPTが使える場面が書かれており、「こんなことにも使えるんだ」という気づきが多くありました。
今後自分が実際にそれぞれの場面に直面した時に、改めて本を見返して、ChatGPT活用のヒントを得るという使い方をしていこうと思いました。
本文中にChatGPTの回答例が全文記載されていますが、すでにChatGPTを使っている人にとってはあまり重要とは感じない箇所なので、途中まで記載して省略する表現方法にしても良いかと思いました。
一方、ChatGPTをまだ使っていない人の視点から見ると、ChatGPTの回答例が全文記載されていることで、ChatGPTの実力を正しく知ることができて、ChatGPTを実際に使うか否かの判断に活かせるので、全文記載が良いのかとも思いました。
注意点としては、本を読み進めながら、ChatGPTの具体的なプロントを入力して演習をしていくスタイルの本ではないので、それを期待する人は別の本やUdemyなどのオンラインコースを受講するのがおすすめです。
口コミ
書評記事
Coming Soon...
参考文献
この本に参考文献の記載はありませんでした。
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まとめ
本の概要、注目点、感想・口コミ・書評記事、参考文献、を紹介しました。
書籍「ChatGPTの衝撃」は、ChatGPTの基本的な概念や仕組み、ビジネス・専門から日常・遊びまで具体的な活用例、使う上での注意点やリスクについて、入門書として解説している本です。
ChatGPTに関心がありどんなことができるのかを知りたい人、ChatGPTを使っていてもっと有効に活用したい人、に一読をおすすめします。
本の目次(詳細版)
この本の目次(詳細版)を引用して紹介します。
- はじめに
- まえがき
- 本書をご利用いただくにあたっての注意事項
- 第1章 ChatGPTの衝撃
- ChatGPTの目的と利用シーン
- ChatGPTの概念
- 自然言語処理(NLP)技術の進化
- ChatGPTが苦手なことと使用上の注意
- ChatGPTのキーワード
- コラム:ChatGPTのはじめ方
- コラム:ChatGPTはおすすめの店を選ぶのが苦手
- 第2章 ChatGPTのできること【基本・ビジネス編】
- ChatGPTを使いこなすカギ「プロンプト」
- (1)文章を作る
- (2)自動翻訳
- (3)要約作成
- (4)企画書作成
- (5)会議アジェンダ作成
- (6)ビジネス戦略や意思決定の支援
- (7)自動タスク管理
- (8)課題解決の提案
- (9)コピーライティング
- (10)ウェブサイト作成
- コラム:ChatGPTに取って代わられる仕事をChatGPTに聞いてみた。
- 第3章 ChatGPTのできること【専門・日常・遊び編】
- (1)コードの補助
- (2)クリエイティブ作品(詩、小説など)の作成補助
- (3)ゲーム内AI
- (4)契約書の作成とレビュー
- (5)特定キャラクターの「チャットボット」として使ってみる
- (6)チュータリングと学習支援
- (7)大学のレポートの補助
- (8)AI同士で議論させてみる
- (9)歴史のifを作ってみる
- (10)レシピの考案
- コラム:ChatGPTで月10万円稼ぐ方法を聞いてみた。
- 第4章 ChatGPTをさらに使いこなす方法
- ChatGPTで使える便利なプラグイン
- 画像生成AIについて
- コラム:ChatGPTに聞く人生で大切なこと10選
- 第5章 ChatGPTの技術的な背景と未来
- トランスフォーマーアーキテクチャ
- トランスフォーマーアーキテクチャを利用した主なモデル例
- 大規模な学習データセット
- ファインチューニングとアプリケーションへの適用
- データセキュリティとプライバシー保護
- ChatGPTモデルの限界と倫理的懸念
- ChatGPTの将来展望
- AI技術の社会的影響
- あとがき
- おわりに