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【注目点・感想】世界2.0 メタバースの歩き方と創り方:佐藤航陽(著)

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メタバースの可能性を知りたい人、メタバースに取り組む理由を探している人、メタバースを仕事で上司に提案したい人、企業で新規事業を探している人、メタバースはどうやって創るのかを知りたい人、におすすめする本を紹介します。

以降では、本の概要注目点感想・口コミ・書評記事参考文献、を紹介します。

本の概要

書誌情報

佐藤航陽(著)盆子原 康(ナレーション)幻冬舎(出版社)2022/3/31(発売日)262P(ページ数)

著者紹介

著者の佐藤航陽(さとうかつあき)氏は、株式会社スペースデータ 代表取締役社長。米経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人「Under 30 Asia」や「日本を救う起業家ベスト10」に選出されています。

著者が伝えたいこと

著者は「序章」で「本書を通して、固定観念をできるだけ取っ払い、メタバースという新しい流れを味方につけて、自分の人生にポジティブな変化を手に入れてほしいと願っています。」と述べています。

そして著者はこの本の構成について「メタバースの『歩き方』と『創り方』を通して、世界というものの普遍的な法則に気がつき、理解を深められるように構成しています。メタバースを理解するということは、すなわち世界を理解することなのです。」と述べています。

本の目次

本の目次を引用して紹介します。

  • 序章 メタバースとは何か?
  • 第一章 メタバースの衝撃
  • 第二章 世界の創り方 I 【視空間】
  • 第三章 世界の創り方 II【生態系】
  • 第四章 競争から創造の世紀へ
  • 第五章 ポストメタバースの新世界
  • 終章 世界の真実は自分の目で確かめるべき

もっとくわしく見たい場合は、本の目次(詳細版)が記事の最後にあります。

注目点

「子どもの遊び方」は「未来のあり方」

1つ目の注目点は「『子どもの遊び方』は『未来のあり方』」です。

著者は「技術にそれほど詳しくないという人でも、もっと手っ取り早く未来を予測できる方法があります。」と述べています。

15歳以下の子どもがどんな遊び方をしているかによって、その後に社会でどんなテクノロジーが普及してくるかを高い確率で予測することができます。(中略)

では、今の子どもが学校から帰ってきたら友達とやっている遊びは何でしょうか。

ほとんどの場合は「Fortnite」や「Apex Legends」に代表されるオープンワールド型のオンライン戦闘ゲームだと思います。(中略)

かつてのSNSにおいてもそうだったように、日常的に3次元仮想空間でゲームをしながら友達とコミュニケーションをして育った子どもたちが、数年後には大人になって働き始めます。(中略)

私がメタバースに大きな可能性を感じている理由も「子どもはすでに当たり前にやっていて、大人はピンと来ない」という特徴があるためです。

佐藤航陽. 世界2.0 メタバースの歩き方と創り方、序章

私はFortniteなどオープンワールド型のオンライン戦闘ゲームを体験したことがなく、近くで遊んでいる子どもを見たことをないので、Fortniteのサイトを見て自分の子どもの頃を思い出しての想像だが、公園で鬼ごっこをするような感じで友達と一緒に3次元仮想空間で協力して敵を倒すようなゲームで遊ぶことは楽しそうだ。

SNSやYouTubeの初期から今のように幅広い年齢層で使われてSNSインフルエンサーやYouTuberが現れるとは想像できなかったが、将来3次元仮想空間でも同じような進化をたどることが予測できるということは、Zoomミーティングも急に当たり前になったように、将来は3次元仮想空間で人とコミュニケーションするようになる日常をイメージして、先日買ったVRゴーグルだけでなくオンラインゲームも実際に体感していこう。

ツイッター感覚で世界を創る時代

2つ目の注目点は「ツイッター感覚で世界を創る時代」です。

著者はメタバースの仮想空間を個々人がどのように使うようになるのか、を述べています。

Twitterの新しいアカウントはわずか1分で開設できます。10個も20個もアカウントを作ったってかまいません。

同じように今後15年以内に、SNSのアカウントを開設するような手軽な感覚で、自分だけの3次元世界を創り出せるようになるでしょう。オリジナルな3次元空間と自分のアバターを、個々人が当たり前のようにもつ時代がやってくるのです。(中略)

複数の仮想世界で生きていくのが当たり前になったとき、人間のアイデンティティや精神は変容し、現代人の感覚とは全く別ものになっていくはずです。

メタバースによって3次元の仮想空間ができ上がれば、最終的に現実世界の価値は今の10分の1ぐらいに下がると私は見ています。

佐藤航陽. 世界2.0 メタバースの歩き方と創り方、第四章 競争から創造の世紀へ

3次元仮想空間を自分で創るのは大変だと思っていたが、第二章に書かれていた「AIがアバターを自動生成する未来」や「世界を自動生成するプロシージャ・モデリング」の技術が進歩していけば、ここで言っているように手軽な感覚で自分だけの3次元世界を創り出せるようになるということが分かり、印象が残った以上に衝撃的だった。

複数の仮想世界で複数のアバターで生きている状態は、たとえば家族・仕事・地域・コミュニティそれぞれで自分を使い分けると考えると、現在だと容姿や声を変えらなかったりSNSプロフィールに書かれているので使い分けができないが、アバターを使い分ければ他の人からは別に見せることができる。自分をそれぞれで使い分けることは未体験だが、実際にソーシャルVRで美少女のアバターにすることで振る舞いが変わるようなので、少しずつ試してみたい。

将来仮想世界で人とのコミュニケーションや場所を訪れることができれば、リアルに時間とお金を使って移動する機会は減っていくが、体験の数や多様性は増えそうだ。

アルゴリズム民主主義:リアルとバーチャルの逆流現象

3つ目の注目点は「アルゴリズム民主主義:リアルとバーチャルの逆流現象」です。

著者は、将来VRデバイスの普及によりユーザーから取得できる情報の質・量が増えコンピュータが学習するアルゴリズムの精度を高めることができる、と述べています。

現実世界の複雑さはすでに人間の個体の認知能力を大幅に上回っています。単純な世界の問題は法律で対応できますが、複雑化した世界の問題ではAIの力を借りる必要があります。(中略)

これまでは代議士と議会が民意を吸い上げて「法律」という単純なアルゴリズムに落としこみ、今後はコンピュータがビックデータという形で大量に人々の情報を吸い上げ、「AI」という複雑なアルゴリズムに落としこむだけです。

特定個人の恣意性を排除し、より客観的な答えを導き出して、国家の持続性を高めていく試みです。つまり、科学と論理に基づいたルール(アルゴリズム)に運営を委ねて行こうという人類の大きな方向性は実は変わっていないのです。

メタバースはアルゴリズムが制御する未来の社会の「実証実験」の場になることが予想されます。

佐藤航陽. 世界2.0 メタバースの歩き方と創り方、第五章 ポストメタバースの新世界

ここで述べている、人が集まって議会で討論して作り出すアルゴリズムが「法律」で、人からデータを収集しコンピュータが学習して作り出すアルゴリズムが「AI」である、という話は分かりやすい表現であり、考えたことがなかったので印象に残った。

現状では市民・国民にアンケート調査してデータを収集し分析して政策の立案に活かそうとしているが、データの質・量共に十分ではないために結果的にあまり活用されていないし、それを改善するためにデータの質・量を増やすには時間とコストが掛かってしまう。

そこで著者が述べているように、「メタバース上での実証実験によってうまく機能したアルゴリズムが実際の現実社会にも実装されていくという手順になるでしょう。」という「リアルとバーチャルの逆流現象」は現状を打破できる方法だと思う。

感想・口コミ・書評記事

感想

この本を序章から終章まで読み終えて、著者が自身の経験を総動員して、多くの日本人に「メタバースのチャンスを逃すな、世界を2.0にアップデートしよう」というメッセージを訴えている気持ちが伝わってきた。

著者は序章で「バズワードに対する人間の態度」「テクノロジーの進化を予測する方法」「失敗から学んだ意思決定の難しさ」から「日本経済復活のカギはメタバースしかない」まで、歴史上の偉人・引用文献・参考事例・自分自身の失敗談を含めて、多くの日本企業の課長・部長・役員クラスの方々に分かりやすいように丁寧に解説している。

第一章以降はメタバースに取り組んでみようと思った人に、メタバースの創り方から未来の発展系まで、おすすめする内容が満載です。

ただしこの本をより理解して自分に取り込むためには、引用している映画・書籍・Webサイト・技術などを読んで理解する必要があります。私もまだ観ていない映画や読んでいない書籍などがあったのでそれらを体験してからもう一度この本を読んでみることにします。

各章の冒頭で偉人の格言を掲載しているのも要注目です。私は序章のジョー・ストラマー「パンクはスタイルではない、姿勢だ」が意外であり気になった。

佐藤航陽(著)盆子原 康(ナレーション)幻冬舎(出版社)2022/3/31(発売日)262P(ページ数)

口コミ

Twitter口コミを紹介します。

書評記事

書評記事を紹介します。

【書評:1839冊目】世界2.0 メタバースの歩き方と創り方(佐藤航陽)

【要約】世界2.0 メタバースの歩き方と創り方 |本のまとめ。 - Dolly Blog

書評『世界2.0 メタバースの歩き方と創り方』|野末雅寛|note

参考文献

未来に先回りする思考法:佐藤 航陽(著)

佐藤 航陽(著)野瀬 育二(ナレーション)ディスカヴァー・トゥエンティワン(出版社)2015/8/27(発売日)254P(ページ数)

5000日後の世界 すべてがAIと接続された「ミラーワールド」が訪れる:ケヴィン・ケリー(著)

この本について注目点、感想などをブログ記事で紹介しています。

ケヴィン・ケリー(著)大野和基(編集)服部桂(翻訳)PHP研究所(出版社)2021/10/14(発売日)

私とは何か「個人」から「分人」へ:平野啓一郎(著)

この本について注目点、感想などをブログ記事で紹介しています。

平野啓一郎(著)講談社(出版社)2012/9/14(発売日)

サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福:ユヴァル・ノア・ハラリ(著)

ユヴァル・ノア・ハラリ(著)柴田 裕之(翻訳)和村 康市(ナレーション)河出書房新社(出版社)2016/9/8(発売日)

ホモ・デウス(上)テクノロジーとサピエンスの未来:ユヴァル・ノア・ハラリ(著)

ユヴァル・ノア・ハラリ(著)柴田裕之(翻訳)岩見 聖次(ナレーション)河出書房新社(出版社)2018/9/6(発売日)

まとめ

本の概要注目点感想・口コミ・書評記事参考文献、を紹介しました。

メタバースの可能性を知りたい人、メタバースに取り組む理由を探している人、メタバースを仕事で上司に提案したい人、企業で新規事業を探している人、メタバースはどうやって創るのかを知りたい人、におすすめする本です。

佐藤航陽(著)盆子原 康(ナレーション)幻冬舎(出版社)2022/3/31(発売日)262P(ページ数)

本の目次(詳細版)

この本の目次をくわしく引用して紹介します。

  • 序章 メタバースとは何か?
    • バズワードに対する人間の態度
    • テクノロジーの進化を予測する方法
    • タイミングがすべてを決める
    • ある悲劇の天才、「早すぎる男」
    • 周囲の反応はリトマス紙
    • メタバースは今がタイミング
    • 「子どもの遊び方」は「未来のあり方」
    • 期待と幻滅のサイクルを乗り越える
    • 「何もない」は最大の武器
    • 失敗から学んだ意思決定の難しさ
    • 堀江貴文の驚異的な先見性と解像度
    • 国家戦略としてのメタバース
    • コンテンツ大国日本の強み
    • 日本復活のカギはメタバースしかない
    • メタバース産業に取り残される最悪なシナリオ
  • 第一章 メタバースの衝撃
    • 人類が目指した究極の問い
    • テクノロジーの役割とは既得権益の民主化である
    • テクノロジーとは「運命に抗う武器」だ
    • メタバースは「神の民主化」
    • 巨大IT企業の新たな主戦場
    • メタバースに関する3つの誤解
    • 早すぎた『セカンドライフ』の功罪
    • 革命の本質はインターネットの3次元化
    • VR端末の普及は遅れてやってくる
    • VRデバイスの普及までの課題
    • VR端末が普及するための3つのアプローチ
    • VR端末が普及するための技術的ハードル
    • メタバースは「ゲーム」こそが入口
    • 大手をかけるEpic Gamesと背中を追うFacebook(Meta)
    • ブロックチェーンやNFTとの相性
    • Web3とクリエイターエコノミー
    • Web3時代の覇者となる人
    • B to Bビジネスとしてのメタバース技術
    • 国土交通省の『PLATEAU』
    • デジタル・ネイティブですら「老害」になる日
    • 「マトリックス」や「竜とそばかすの姫」が現実になる日
    • 現実よりも魅力的なバーチャル・ディズニーランド
    • ハリウッド級映画を一人で作る天才児の誕生
  • 第二章 世界の創り方 I 【視空間】
    • 世界とは何か?
    • 人間誰しも人間の専門家
    • VTuberとバーチャル・ヒューマンの躍進
    • AIがアバターを自動生成する未来
    • 人間は驚くほど世界の風景を覚えていない
    • 「日本っぽさ」「東京っぽさ」「アジアっぽさ」の本質
    • 現実っぽく見えるけど、この世に存在しない新しい世界
    • 世界を自動生成するプロシージャ・モデリング
    • ミラーワールド=並行世界の実現
    • メタバース構築のための3つのアプローチ
  • 第三章 世界の創り方 II【生態系】
    • 成功を分けているのは「世界の解像度」
    • 秋元康の世界のとらえ方
    • 「生態系」としての世界と、「空間」としての世界
    • 世界とは複雑な生態系の重なり合い
    • 世界を変える=新しい生態系を創ること
    • うまく回っている生態系の特徴
    • カリスマの求心力と生態系の慣性力
    • 生態系の役割と価値の種類
    • 生産者(価値を作る人)と消費者(価値を感じる人)
    • 参加者の二面性
    • 生態系の起点は「生産者」側にある
    • 「鶏が先か? 卵が先か?」問題
    • 生態系の設計者の仕事
    • 生態系を一つの生命のようにとらえる
    • 生態系をより強固にしていくためには?
    • 参加者個人を惹きつける仕掛け
    • 生態系が有機的に進化する瞬間
    • 生態系のデザインにおいて重要なこと
    • 世界を創ることが未来の仕事になる
    • 目に映る「空間」としての世界
    • 無数に広がる多次元並行世界
  • 第四章 競争から創造の世紀へ
    • 村上龍の小説『希望の国のエクソダス』
    • 人間は辺境に進み続ける
    • ツイッター感覚で世界を創る時代
    • メタバースによって変容する「個人」
    • 本当の自分とは? 外見と内面の密接な関係
    • 魅力的な人格を作り出すスキル
    • 「個性格差」という負の側面
    • 商業主義から価値主義への転換
    • 「なりたい自分で生きていく」
    • 「ルネッサンス2.0」の黄金時代
  • 第五章 ポストメタバースの新世界
    • アルゴリズム民主主義:リアルとバーチャルの逆流現象
    • アルゴリズム民主主義下でのメタバースの役割
    • 世界のルールが変わるきっかけ
    • 近未来の戦争のカタチ
    • 人類に残された最後のフロンティアは宇宙空間と仮想空間
    • 宇宙空間とメタバース開発は同時並行で進む
    • 宇宙の本質は物質(ハード)か情報(データ)か
    • 量子コンピュータとの融合の可能性
    • 機械を作り出す機械・世界を創り出す世界
    • バーチャル・タイムトラベル
    • 脳科学との融合で実現するリアル「マトリックス」
    • メタバースの先はユートピアかディストピアか?
  • 終章 世界の真実は自分の目で確かめるべき

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