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【注目点・感想】ザ・ダークパターン ユーザーの心や行動をあざむくデザイン:仲野佑希(著)

本「ザ・ダークパターン」アイキャッチ画像

ダークパターンとは何か、人間の認知のクセを利用してどのように行動をあざむくのか、ダークパターンにはどのような種類があるのか、ダークパターンを防ぐにはどのようにしたらいいのか、ダークパターンはなぜ顧客の信頼を失ってしまうのか、を解説している本です。

「この本を読み終えたあなたは、上司やクライアントにダークパターンを使うよう指示されたとき、あなたはダークパターンとは何か、そしてなぜ使うべきではないかを説明できるはずです。」(「終わりに」から引用)

安易にだまされない消費者になりたい人、デジタルマーケティングにたずさわるすべての人(デザイナー、コピーライター、マーケター、ビジネスオーナーなど担当者・マネージャ・経営者)、成長を急ぐスタートアップの人、に一読をおすすめします。

本の概要注目点感想・口コミ・書評記事参考文献、を紹介します。

本の概要

書籍情報

仲野 佑希(著)宮田 宏美, ダークパターンJP編集部(監修)翔泳社(出版社)2022/8/3(発売日)224P(ページ数)
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著者紹介

仲野 佑希(なかの・ゆうき)

北海道出身のUXライター。2021年よりオウンドメディアKOTOBA UXを開設。国内でのUXライティングの普及に努めるほか、企業への実務支援やアドバイスを行なっている。

著者が伝えたいこと

著者はこの本を通じて伝えたいことを以下のように述べています。

本書の目的は、セールスマーケティングにおけるダークパターンに焦点を絞り、光をあてることです。

そして、あなたの言葉やデザインが、画面の向こうにいる生活者にどのような影響を与えるのか、適切な認識を持ってもらうことです。

本書では、あらゆるタイプの人たちに、より関心を持って読んでもらえるよう、経済合理性の観点からも、非常に興味深い、かつ信頼のおけるデータを集めました。

加えて、ビジネスがダークパターンに依存することによる、長期的なリスクについても言及しています。

ダークパターンへの理解を深めることは、ビジネスを守ることにもつながるのです。

本の目次

本の目次を引用して紹介します。

  • はじめに
  • Chapter1 ダークパターンとは何か
  • Chapter2 意思決定の科学
  • Chapter3 ダークパターンの種類
  • Chapter4 ダークパターンを防ぐために
  • 終わりに

もっとくわしく見たい場合は記事の最後に、本の目次(詳細版)があります。

注目点

この本はどのようなことが書かれているのか?読んでみて注目した点を3つ紹介します。

ダークパターンの名付け親

1つ目に注目した点は「Chapter1 ダークパターンとは何か」の「ダークパターンとは何か、その定義」に書かれている「ダークパターンの名付け親」です。

著者はダークパターンという概念が初めて紹介された歴史を以下のように述べています。

  • 2010年、ユーザーエクスペリエンスの専門家である、Harry Brignull(ハリー・ブリグナル)がWebサイトDarkpatterns.orgの中で、初めてダークパターンの概念を提唱した。
  • 2022年4月頃より、ブリグナルはダークパターンを「Deceptive disign:ディセプティブ・デザイン(人を欺くデザイン)」と表現し、Webサイトの名称も変更している。
  • 日本のメディアで「ダークパターン」が取り上げられるようになったのは、ここ最近のことである。

ブリグナルは、ダークパターンを次のように定義している、と著者は述べています。

“ダークパターンとは、ユーザーを騙して何かを購入させたり、登録させたりするなど、意図しないことを実行させる、Webサイトやアプリで使われているトリックのこと”(筆者訳)
──ハリー・ブリグナルdarkpatterns.org

仲野 佑希. ザ・ダークパターン ユーザーの心や行動をあざむくデザイン (Japanese Edition) (p.16). Kindle 版.

品薄商品ほど欲しくなる

2つ目に注目した点は「Chapter3 ダークパターンの種類」の「スケアシティ(希少性)」に書かれている「品薄商品ほど欲しくなる」です。

著者は、スケアシティ(希少性)を使ったダークパターンを以下のように説明しています。

  • 商品の価値を高める最良の方法は、その商品の希少性を伝えること。
  • しかし中には、虚偽の情報を用いて、商品の人気が高く、品薄になっているかのようにみせかける企業も存在する。
  • 「在庫僅少(きんしょう)メッセージ」や「需要高騰メッセージ」がある。
  • 通販番組でも、出演者が決まり文句のように「在庫〇〇個限り!」とアピールしていたり、番組の最後には「現在電話が大変混み合っております」と伝えている。

そして「つまり、私たちは、希少性が高いと感じたものを、価値が高いと評価し、人気の高いものや、他の人が欲しがっているものを、さらに高く評価する傾向があるのです。」と著者は説明しています。

このような「希少性の原理」の説得力の高さは、近年のビックデータ解析においても裏付けられている、と以下のように説明しています。

イギリス大手のEコマース支援企業Qubitが、1億2,000万件の購買履歴を分析したレポートでは、行動心理学に基づく「希少性」「社会的証明」「緊急性」を使ったマーケティングが、「サイト訪問者ひとり当たりの収益」に最も貢献するとまとめています。

中でも、希少性に訴えるアプローチは最も効果が高く、平均2.9%もの収益向上に貢献することがわかりました。

仲野 佑希. ザ・ダークパターン ユーザーの心や行動をあざむくデザイン (Japanese Edition) (p.197). Kindle 版.

顧客ファーストを体現するNetflix

3つ目に注目した点は「Chapter3 ダークパターンの種類」の「フォースドアクション(強制)」に書かれている「顧客ファーストを体現するNetflix」です。

著者は、フォースドアクション(強制)を使ったダークパターンを以下のように説明しています。

  • ユーザーに無許可で特定のアクションを実行したり、本人が望んでいないタスクを強いるダークパターンのこと。
  • 「強制的な登録」は、ユーザーがコンテンツにアクセスしたり、サービスを利用しようとする過程で、アカウントの作成やメールマガジンの登録を強制する。
  • 「強制的な継続」は、サービス無料トライアル期間が終了した際に、事前の予告や通知をすることなく、ユーザーのクレジットカードに課金・請求を行う。

著者は以前、「強制的な継続」をしていたNetflixが、2020年に業界でも異例の決断をし、12ヶ月コンテンツを視聴していないユーザーに通知を送り、継続の意思が確認できない場合には、自動的に購読を解除することにした、という事例を説明しています。

当時副社長だったギルソン・ビドルがすべての会員にリマインドメールを送ることを決断したことについて述べたことを、以下のように紹介しています。

「無料体験のリマインドメールは、顧客の信頼を築き、より強固で世界的なブランドを生み出します。Netflixは5,000万ドルの損失を出しましたが、コピーされにくいブランドを通じて、長期的なアドバンテージを築きました。A/Bテストですべてを測定することはできません。キャンセルしたお客様の中には、Netflixの親切なリマインドメールのことを友人に話したり、数か月後に再びサービスに申し込む人もいるかもしれません」(筆者訳)

仲野 佑希. ザ・ダークパターン ユーザーの心や行動をあざむくデザイン (Japanese Edition) (pp.229-230). Kindle 版.

感想・口コミ・書評記事

感想

「ダークパターン」という言葉をこの本のタイトルで初めて知り、「ユーザーの心や行動をあざむくデザイン」に興味を感じて読んでみました。

読み終えてみて、ダークパターン(ディセプティブ・デザイン)の理解を通じて、人の意思決定がどのように行われているのか、Webサイトのどこにダークパターンが埋め込まれているのか、なぜ企業はダークパターンを使ってしまうのかがわかり、Webサイトや製品・サービスを利用する上での見方が変わるようになりました。

海外の研究者の論文や書籍をもとにしてデータや言葉が引用しながら、わかりやすく説明がされているので、最初から最後まで興味深く読むことができました。

引用している論文やWebサイトのURLがリンク付きで記述されており、Kindle版だとワンクリックで参照できる点はとても助かります。(難を言えば、Kindle版の読み上げ(Text to speech)でURLを読んでしまうので、URLの記載には工夫があると良いのですが。)

この本ではダークパターンの種類や事例を説明しているだけでなく、ダークパターンを防ぐためにはどうしたら良いのかも書かれているので、対策を考える上で参考になります。

たとえば、ダークパターンを防ぐために、KGIやKPIといった企業目線の価値だけではなく、顧客側から見た価値も考慮した指標である「ノーススターメトリック(北極星指標)」や、ノーススターメトリックやKPIを最適化し過ぎて、顧客やビジネスに不利益を与えていないかどうかを確認する指標である「カウンターメトリック」の活用法についてです。

デジタルマーケティングにたずさわるすべての人、デザイナー、コピーライター、マーケター、ビジネスオーナーなど担当者・マネージャ・経営者まで、熟読し活用すべき本だと感じました。

著者は「セールス分野だけでなく、AIやビックデータ、ゲーム、ソーシャルメディアの分野でも、ダークパターンをめぐる『エシカルデザイン(倫理的なデザイン)』の議論は活発化していくでしょう。」と述べており、これらの分野のスタートアップにたずさわる人にとっても理解して実践すべき内容だと感じました。

仲野 佑希(著)宮田 宏美, ダークパターンJP編集部(監修)翔泳社(出版社)2022/8/3(発売日)224P(ページ数)
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口コミ

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ゲームにおけるUXのダークパターン – darkpatterns.jp

参考文献

この本の参考文献に記載されている本や関連する本を紹介します。

お世辞を言う機械はお好き? コンピューターから学ぶ対人関係の心理学:クリフォード・ナス, コリーナ・イェン(著)

「Chapter2 意思決定の科学」の「ユーザーが行動を起こす3条件」で引用されています。

クリフォード・ナス, コリーナ・イェン(著)細馬 宏通(監修, 翻訳)成田 啓行(翻訳)福村出版(出版社)2017/6/24(発売日)300P(ページ数)
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影響力の武器[第三版] なぜ、人は動かされるのか:ロバート・B・チャルディーニ(著)

「Chapter3 ダークパターンの種類」の「ソーシャルプルーフ(社会的証明)」で引用されています。

ロバート・B・チャルディーニ(著)社会行動研究会(翻訳)誠信書房(出版社)2014/7/10(発売日)492P(ページ数)
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測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?:ジェリー・Z・ミュラー(著)

「Chapter4 ダークパターンを防ぐために」の「組織をプレッシャーから解放する」で引用されています。

ジェリー・Z・ミュラー(著)松本 裕(翻訳)みすず書房(出版社)2019/4/26(発売日)235P(ページ数)
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UXライティングの教科書 ユーザーの心をひきつけるマイクロコピーの書き方:キネレット・イフラ(著)

「関連書籍」として、著者が監修した本があります。

キネレット・イフラ(著)郷司 陽子(翻訳)仲野 佑希(監修)翔泳社(出版社)2021/2/15(発売日)272P(ページ数)
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Webコピーライティングの新常識 ザ・マイクロコピー[第2版]:山本 琢磨(著)

「関連書籍」として、著者が監修した本があります。

山本 琢磨(著)仲野 佑希(監修)秀和システム(出版社)2022/4/20(発売日)256P(ページ数)
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UX・UIがわかるおすすめ本

まとめ

本の概要注目点感想・口コミ・書評記事参考文献、を紹介しました。

ダークパターンとは何か、人間の認知のクセを利用してどのように行動をあざむくのか、ダークパターンにはどのような種類があるのか、ダークパターンを防ぐにはどのようにしたらいいのか、ダークパターンはなぜ顧客の信頼を失ってしまうのか、を解説している本です。

「この本を読み終えたあなたは、上司やクライアントにダークパターンを使うよう指示されたとき、あなたはダークパターンとは何か、そしてなぜ使うべきではないかを説明できるはずです。」(「終わりに」から引用)

安易にだまされない消費者になりたい人、デジタルマーケティングにたずさわるすべての人(デザイナー、コピーライター、マーケター、ビジネスオーナーなど担当者・マネージャ・経営者)、成長を急ぐスタートアップの人、に一読をおすすめします。

仲野 佑希(著)宮田 宏美, ダークパターンJP編集部(監修)翔泳社(出版社)2022/8/3(発売日)224P(ページ数)
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本の目次(詳細版)

この本の目次(詳細版)を引用して紹介します。

  • はじめに
  • Chapter1 ダークパターンとは何か
    1. 消費者を惑わせるWebサイト設計
    2. ダークパターンとは何か、その定義
    3. ダークパターンの世界的調査
    4. ダークパターンは人の選択をどれほど歪めるのか
    5. 国内外で高まるダークパターンへの忌避感
    6. 企業がダークパターンを使うリスク
  • Chapter2 意思決定の科学
    1. その選択は、誰が決めているのか
    2. 意思決定に影響を与えるマイクロコピー
    3. ユーザーが行動を起こす3条件
    4. ファストアンドスロー速い思考と遅い思考
    5. 説得 vs. 欺瞞、操作、強制
  • Chapter3 ダークパターンの種類
    1. スニーキング(こっそり)
    2. アージェンシー(緊急性)
    3. ミスディレクション(誘導)
    4. ソーシャルプルーフ(社会的証明)
    5. スケアシティ(希少性)
    6. オブストラクション(妨害)
    7. フォースドアクション(強制)
  • Chapter4 ダークパターンを防ぐために
    1. 組織をプレッシャーから解放する
    2. ユーザーをリスクから解放する
  • 終わりに

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