イーサリアムの歴史的な背景から、他の暗号資産とどのように違うのか、他と比べてどのような技術的な特徴があるのか、活用方法や事例、NFT・DeFi・GameFiとの関係性まで解説している本です。
「イーサリアム」「イーサ(ETH)」という言葉を見たり聞いたりして興味をおぼえた人が、最初に読む本として一読をおすすめします。
本の概要、注目点、感想・口コミ・書評記事、参考文献、を紹介します。
本の概要
書籍情報
著者紹介
廣田 章(ヒロタ・アキラ)
現在は、マーケティング会社と、資産投資会社の2社を経営。社員は採用せず、30名程度の副業者と共にフルリモートワークで会社を営む。主な投資対象としては、暗号資産やNFT関連、DeFiやGameFiの事業者であり、スタートアップ支援や顧問として戦略参加。(著者紹介より一部引用)
著者が伝えたいこと
著者はこの本を通じて伝えたいことを以下のように述べています。
本書は、今話題の「イーサリアム」について、まったくの初心者でも基礎的な知識を身につけられるスタートブックとして書きました。
「イーサリアム」って何?と聞いたことがない方も、聞いたことはある方、暗号資産の1つとしてなんとなく知っている方にも、楽しんでいただけるように試行錯誤しました。
本書の一部でも全部でも頭の片隅に置いてもらえれば、あなたの生活はすぐに変わらなくても、経済や新しい未来に繋がる最新の情報の取得・活用も比較的スムーズにできると信じています!
本の目次
本の目次を引用して紹介します。
- はじめに
- Chapter1 イーサリアムとは?
- Chapter2 イーサリアムの歴史
- Chapter3 イーサリアムに関わるテクノロジー
- Chapter4 イーサリアム独自の可能性と魅力
- Chapter5 イーサリアムとNFT
- Chapter6 イーサリアム×メタバース、DAO
- Chapter7 イーサリアムとDeFi、GameFi
- Chapter8 世界のイーサリアム活用事例
- Chapter9 イーサリアムのポテンシャル
- Chapter10 イーサリアムの課題とリスク
- Chapter11 注目のイーサリアム情報
- Chapter12 イーサリアムの特徴まとめ
- おわりに
もっとくわしく見たい場合は記事の最後に、本の目次(詳細版)があります。
注目点
この本はどのようなことが書かれているのか?読んでみて注目した点を3つ紹介します。
イーサリアムは何のために作られたのか
1つ目に注目した点は「Chapter1 イーサリアムとは?」の「2. いつ、何のために作られたのか」に書かれている「イーサリアムは何のために作られたのか」です。
著者は、イーサリアムを考案した、Vitalik Buterin(ヴィタリック・ブリテン)氏が、イーサリアムを発案したきっかけを以下のように説明しています。
- 世界中のビットコインのプロジェクトを見て回る旅の中で、人々がブロックチェーンを仮想通貨以外の目的に使おうとしていることに気づいた。
- 分散型の送金システム・モノの売買・個人認証・クラウドファンディングなど、様々な用途のアプリケーションにブロックチェーンが活用されていることを知った。
そして、あらゆる目的のために使えるブロックチェーンのプラットフォームを(自らの手で)作ればいいんじゃないかと、気づいた、と述べています。
「少しのコードを書いて、アップロードするだけで、個別のアプリケーションのためのブロックチェーンシステムが手に入れられるプラットフォーム」、これが核となるアイデアとなり、イーサリアムの誕生に繋がったのです。
廣田章. 図解ポケット 次世代プラットフォーム イーサリアムがよくわかる本(2022). P12
サイドチェーン
2つ目に注目した点は「Chapter4 イーサリアム独自の可能性と魅力」の「3. イーサリアム関連の重要な技術」に書かれている「サイドチェーン」です。
著者は、サイドチェーンについて以下のように説明しています。
- サイドチェーンとは、暗号資産のブロックチェーンにおける「側鎖(そくさ)」となる概念であり、ブロックチェーンの機能を拡張することを目的として開発された技術。
- サイドチェーンの導入により、独自のブロックチェーンが相互に結ばれ、メインチェーンからサイドチェーンへの資産移動が簡単かつ自由に行えるようになったりするなど、革命的な技術として注目を浴びている。
サイドチェーンに新たな技術を組み込むことで、暗号資産に新機能を待たせることができる他、送金時間の短縮や送金手数料の削減というメリットがあります。
廣田章. 図解ポケット 次世代プラットフォーム イーサリアムがよくわかる本(2022). P55
暗号資産関連の技術の応用
3つ目に注目した点は「Chapter10 イーサリアムの課題とリスク」の「4. 暗号資産がもたらすこと」に書かれている「暗号資産関連の技術の応用」です。
著者は、スマートコントラクト機能を使用したイーサリアムを応用して普及した機能を以下のように説明しています。
- DeFi(分散型金融):銀行や証券、暗号資産取引所などの金融サービスを提供するシステム
- Etherisc(分散型保険プラットフォーム):保険金の支払いや、その可否を自動で実行するシステム
Etheriscの最初の分散型保険「Flight Delay Insurance(航空機遅延保険)」は、2016年9月に行われたイーサリアムの開発者の年次カンファレンスにて初めて発表された、と説明しています。
Flight Delay Insuranceでは、航空機が45分以上遅延した場合に払い戻しを受けることができます。
スマートコントラクトを活用して支払いが行われるため、保険会社などの仲介者は存在せず、手数料を大幅に削減することができる保険です。
廣田章. 図解ポケット 次世代プラットフォーム イーサリアムがよくわかる本(2022). P127
感想・口コミ・書評記事
感想
イーサリアムを主題にした新しい本で、これまで初心者向けのイーサリアム解説書は出版されていなかったので読んでみました。
イーサリアムのことをはじめて知ったのは2021年後半だったので、「Chapter2 イーサリアムの歴史」に書かれている、イーサリアムのホワイトペーパーが公表された2013年から最近までに起きた出来事についての解説は、要点が図解もまじえて簡潔にまとまっていたので歴史を把握するのに参考になりました。
「Chapter8 世界のイーサリアム活用事例」では、分散型予測市場「Auger(オーガー)」、不動産業界「REX(レックス)」、新型メタバースとNFTを融合「RobotEra」などの事例が紹介されており、はじめて知ったプロジェクトもあったので参考になりました。
「Chapter11 注目のイーサリアム情報」では、IT大企業の動きとして、GoogleがリリースしたBNE(ブロックチェーン・ノード・エンジン)や、AmazonのAMB(アマゾン・マネージド・ブロックチェーン)の解説があり、さらに詳しく調べてみたいと感じました。
残念な点としては、イーサリアムでの分散アプリケーションの開発方法について、解説されているチャプターがあるとさらに良かったと思いました。
口コミ
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書評記事
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参考文献
この本の参考文献に記載されている本や関連する本を紹介します。
Web3とDAO 誰もが主役になれる「新しい経済」:亀井 聡彦, 鈴木 雄大, 赤澤 直樹(著)
この本の注目点や感想、本の目次などをブログ記事で紹介しています。
Web3.0の教科書:のぶめい(著)
この本の注目点や感想、目次などをブログ記事で紹介しています。
イーサリアムがわかる本おすすめ
まとめ
本の概要、注目点、感想・口コミ・書評記事、参考文献、を紹介しました。
イーサリアムの歴史的な背景から、他の暗号資産とどのように違うのか、他と比べてどのような技術的な特徴があるのか、活用方法や事例、NFT・DeFi・GameFiとの関係性まで解説している本です。
「イーサリアム」「イーサ(ETH)」という言葉を見たり聞いたりして興味をおぼえた人が、最初に読む本として一読をおすすめします。
本の目次(詳細版)
この本の目次(詳細版)を引用して紹介します。
- はじめに
- Chapter1 イーサリアムとは?
- イーサリアムの意味とは?
- いつ、何のために作られたのか
- どうやって活用されているのか
- どうやって買ったり売ったりするのか
- イーサリアムは次世代のプラットフォームになりうる
- Chapter2 イーサリアムの歴史
- イーサリアムの始まりについて
- イーサリアムの黎明期
- いきなりこんなニュースに
- イーサに訪れた冬の時代
- イーサリアムの革命期
- また冬の時代ーー冬眠して次のステップへ
- Chapter3 イーサリアムに関わるテクノロジー
- Web3とは?
- Web3の実現を目指す代表的な暗号資産
- ブロックチェーンとは?
- ビットコインのブロックチェーンとの違い
- イーサリアムのスマートコントラクト
- Chapter4 イーサリアム独自の可能性と魅力
- イーサリアムならではの可能性と魅力
- イーサリアム独自の技術的視点
- イーサリアム関連の重要な技術
- イーサリアムクラシック
- Chapter5 イーサリアムとNFT
- NFTとは
- NFTとイーサリアムの関係性
- NFT×イーサリアムの課題
- イーサが購入できる取引所
- NFTの購入方法
- NFTが購入できるマーケットプレイス
- 代表的なNFTマーケットプレイス
- NFTがもたらすこと
- Chapter6 イーサリアム×メタバース、DAO
- イーサリアムとメタバースの関係
- メタバースでPlay to Earn
- イーサリアムとメタバース関連の技術
- メタバースとDAO
- イーサリアムの視点からみたDAO
- Chapter7 イーサリアムとDeFi、GameFi
- DeFiとイーサリアム
- DeFiで利益を得る
- イーサリアムとDeFiに関する話題
- GameFiとイーサリアム
- GameFiで利益を得る
- Chapter8 世界のイーサリアム活用事例
- Augurのイーサリアム活用事例
- REXのイーサリアム活用事例
- イーサリアムのレイヤー2「Polygon」
- イーサリアムを活用したPlay to EarnのNFTゲーム
- イーサリアムを活用したMove to Earn
- Chapter9 イーサリアムのポテンシャル
- イーサリアムのポテンシャル
- ポテンシャルからわかること
- Chapter10 イーサリアムの課題とリスク
- イーサリアムとの自分なりの関わり方・リテラシーを持とう
- 暗号資産の知識も必要
- 暗号資産市場の位置付け
- 暗号資産がもたらすこと
- 普及するには敷居が高すぎ?
- 運用資産
- イーサ(暗号資産)の注文取り消しについて
- イーサの盗難
- 詐欺のリスク
- 暗号資産で得た利益の納税
- Chapter11 注目のイーサリアム情報
- IT大企業の動き
- イーサリアムロードマップの更新
- Chapter12 イーサリアムの特徴まとめ
- イーサリアムの特徴まとめ
- おわりに