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【注目点・感想】Who You Are(フーユーアー)君の真の言葉と行動こそが困難を生き抜くチームをつくる:ベン・ホロウィッツ(著)浅枝大志, 関美和(翻訳)

本「Who You Are」アイキャッチ画像

企業文化とは何か、どうしたら理想の企業文化をデザインし、社員のみんなに実践してもらえるかについて、歴史上の人物・出来事や、創業者兼CEO・ベンチャーキャピタルの経験から、企業文化をつくるテクニックを解説している本です。

これから起業家を目指す人、スタートアップを起業している人はもちろん、あらゆる組織のリーダーが企業(組織)文化を学ぶ本として一読をおすすめします。

本の概要注目点感想・口コミ・書評記事参考文献、を紹介します。

本の概要

書籍情報

日本語版

ベン・ホロウィッツ(著)浅枝 大志, 関 美和(翻訳)日経BP(出版社)2020/4/17(発売日)312P(ページ数)

原著(英語版)

Ben Horowitz(著)William Collins(出版社)2019/10/29(発売日)251P(ページ数)

著者紹介

Ben Horowitz(ベン・ホロウィッツ)

次世代のテクノロジー企業のリーダーとなる起業家に投資するベンチャーキャピタル、アンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)の共同創業者兼ゼネラル・パートナー。

アンドリーセン・ホロウィッツを立ち上げる前はオプスウェア(旧ラウドクラウド)のCEO兼共同創業者を務めた。

ラウドクラウドは2007年にヒューレット・パッカードから16億ドルで買収されている。

(著者紹介より一部引用)

著者が伝えたいこと

著者はこの本を通じて伝えたいことを以下のように述べています。(「イントロダクション」から一部引用)

リーダーたちが強い文化をつくるために使ったテクニックに目を向け、その努力がどのように効果を上げたのかを紹介することにした。

だから、この本の中には、唯一絶対の「完璧な文化」は描かれていない。文化を通してあなたの望みをかなえるテクニックをここに描いた。

この本では、古代から現代までの組織文化をめぐる旅に読者をお連れしようと思う。

この旅を通して、どんな組織をつくるときにも土台になる問いに答えられるようになるだろう。

人の真の姿は、どんな行動をしているかに表れる。あなたの行いが、あなたという人間なのだ。

本の目次

本の目次を引用して紹介します。

  • 日本語版序文 辻 庸介
  • 序文 ヘンリー・ルイス・ゲイツ・ジュニア
  • イントロダクション 行動こそが君という人間だ
  • 第1章 文化と革命 トゥーサン・ルーベルチュールの物語
  • 第2章 ルーベルチュールのテクニックを使う
  • 第3章 武士道
  • 第4章 もうひとつの武士道 シャカ・サンゴールの物語
  • 第5章 サンゴールのテクニックを使う
  • 第6章 チンギス・ハン 多様性の達人
  • 第7章 現代社会の多様性
  • 第8章 自分らしい文化をデザインする
  • 第9章 境界事例と見せしめ
  • 第10章 まとめ
  • 謝辞
  • 訳者あとがき
  • 参考文献

もっとくわしく見たい場合は記事の最後に、本の目次(詳細版)があります。

注目点

この本はどのようなことが書かれているのか?読んでみて注目した点を3つ紹介します。

ショッキングなルールをつくる

1つ目に注目した点は「第2章 ルーベルチュールのテクニックを使う」に書かれている「ショッキングなルールをつくる」です。

著者は、長期にわたって組織に根づく文化の土台となるような、効果的なルールとはどのようなものか、を紹介しています。

  • 記憶に残るもの。
    • ルールを忘れると、文化も忘れる。
  • 「なぜ?」と問いたくなるもの。
    • 誰もが「マジで?」と聞き返したくなるような、奇妙でショッキングなルールでなければならない。
  • 文化に直接影響するもの。
    • 「なぜ?」への答えがその文化の概念を明快に説明するものでなければならない。
  • ほぼ毎日使うもの。
    • どれほど記憶に残るルールであっても年に一度しか使わなければ意味はない。
ベン・ホロウィッツ. Who You Are(フーユーアー)君の真の言葉と行動こそが困難を生き抜くチームをつくる (Japanese Edition) (p.67). Kindle 版.

著者は、ショッキングなルールとして、以下のような例を紹介しています。

  • ニューヨーク・ジャイアンツ「時間通りは遅刻」
  • アマゾン「会議でパワーポイント禁止」
  • フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ「素早く動き、破壊せよ」
  • ヤフーのマリッサ・メイヤー「勤務時間中は会社にいなければならない」

文化は人を変える

2つ目に注目した点は「第5章 サンゴールのテクニックを使う」に書かれている「文化は人を変える」です。

著者は、「リーダは、自分たちの文化をどうしたら正しく把握できるだろう?簡単そうだが、これが意外に難しい。」と述べています。

それは、経営者が管理職に「うちの文化はどんなものだろう?」と聞けば、経営者が聞きたい答えしか返ってこないからだ、と説明しています。

それでは、どのようにすればいいのか、著者は以下のように述べています。

真の企業文化を理解するのに一番いいのは、管理職の言うことを聞くのではなく、新人の振る舞いを見ることだ。

この会社に馴染み、生き残り、成功するにはどう振る舞えばいいと新人は見ているだろう?

それがこの会社の真の企業文化だ。

ベン・ホロウィッツ. Who You Are(フーユーアー)君の真の言葉と行動こそが困難を生き抜くチームをつくる (Japanese Edition) (p.155). Kindle 版.

文化の特性を生かす

3つ目に注目した点は「第8章 自分らしい文化をデザインする」に書かれている「文化の特性を生かす」です。

著者は、行動規範が有効かどうかを考える切り口、を述べています。

  • その行動規範は実行できるか? 
    • 武士道によると、文化とは信条ではなく行動の積み重ねだとされている。
  • その行動規範は自社の文化に独特なものか? 
    • すべての行動規範があなたの会社独自のものでなくてもいいが、同じ業界の他社がみんな同じことをしていれば、その要素を強調する必要はないだろう。
  • その行動規範にあなたは合格できるか?
ベン・ホロウィッツ. Who You Are(フーユーアー)君の真の言葉と行動こそが困難を生き抜くチームをつくる (Japanese Edition) (p.224). Kindle 版.

感想・口コミ・書評記事

感想

書籍『ブリッツスケーリング』(ブログ記事)の中で「企業文化」の大切さが語られており、企業文化はどのようにつくればいいのかを学ぶために、この本を読んでみました。

著者は「企業にとっての文化とは、有望なプロスポーツ選手にとっての栄養とトレーニングのようなものだ。人の欲しがらないプロダクトをつくっていたりする場合は、偉大な文化があっても偉大な企業が構築できるとは限らない。」と述べ、本来の目的を間違えないようにすることを伝えています。

この本では、企業文化を学ぶお手本として歴史上の4人の物語が語られて、その物語からの教訓と現代の企業の事例を組み合わせて、テクニックを解説している点が特徴的で興味深く読むことができました。

振り返ると4人の中では特に、最初に登場するハイチのトゥーサン・ルーベルチュールの物語が、企業文化の大切さと難しさを表現していて印象に残りました。

企業文化と「武士道」について、海外の著者から学べることも特徴的です。「侍にとって、文化は行動規範だった。文化を築くにあたって、あなたが何を信じているかはどうでもいい。あなたが何をするかに意味がある。」という言葉は記憶に残りました。

単に「こうすればいい」といった教訓だけでなく、著者がウソつきマネージャーを何年も見過ごし昇進させて企業文化を壊してしまった話など、著者が実際に失敗から学んだことが随所に書かれており、本を読んでいる著者から直接話を聴いている感覚になりました。

これから起業家を目指す人、スタートアップを起業している人は、なるべく早めに一度読んでみることをおすすめします。

また、起業家ではない人でも、複数の人々が関わる組織・コミュニティ・家族の文化をどのようにつくればいいのか?自分はどう考え行動するすればいいのか?を学べる内容になっているので、おすすめです。

ベン・ホロウィッツ(著)浅枝 大志, 関 美和(翻訳)日経BP(出版社)2020/4/17(発売日)312P(ページ数)

口コミ

書評記事

【書評】Who You Are(フーユーアー)君の真の言葉と行動こそが困難を生き抜くチームをつくる

【読書感想】Who You Are(フーユーアー)君の真の言葉と行動こそが困難を生き抜くチームをつくる ☆☆☆☆ - 琥珀色の戯言

ベン・ホロウィッツのWho You Are(フーユーアー)君の真の言葉と行動こそが困難を生き抜くチームをつくるの書評 | 起業家・経営者のためのビジネス書評ブログ!

参考文献

この本の参考文献に記載されている本や関連する本を紹介します。

HARD THINGS 答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか:ベン・ホロウィッツ(著)

著者の前著です。

「訳者あとがき」の中で、『HARD THINGS』は、さまざま経営難をパターン化し対処法を解説している経験から学ぶ本であり、一方、『WHO YOU ARE』は、場所や年代もまったく異なる歴史上の人物や出来事をパターン分けして紹介している歴史に学ぶ本である、と紹介しています。

ベン・ホロウィッツ(著)滑川 海彦, 高橋 信夫(翻訳)日経BP(出版社)2015/4/17(発売日)392P(ページ数)

黒いナポレオン: ハイチ独立の英雄 トゥサン・ルヴェルチュールの生涯

「第1章 文化と革命 トゥーサン・ルーベルチュールの物語」に関する参考文献です。

ジャン=ルイ・ドナディウー(著)大嶋 厚(翻訳)えにし書房(出版社)2015/10/27(発売日)285P(ページ数)

[新訳]武道初心集 いにしえの教えに学ぶ組織人の心得:大道寺 友山(著)

「第3章 武士道」に関する参考文献としてあげています。

大道寺 友山(著)古川 薫(翻訳)PHP研究所(出版社)2013/8/10(発売日)220P(ページ数)

パックス・モンゴリカ―チンギス・ハンがつくった新世界:ジャック・ウェザーフォード(著)

「第6章 チンギス・ハン 多様性の達人」に関する参考文献としてあげています。

ジャック・ウェザーフォード(著)星川 淳, 横堀 冨佐子(翻訳)日本放送出版協会(出版社)2006/9/1(発売日)477P(ページ数)

スタートアップにおすすめの本

まとめ

本の概要注目点感想・口コミ・書評記事参考文献、を紹介しました。

企業文化とは何か、どうしたら理想の企業文化をデザインし、社員のみんなに実践してもらえるかについて、歴史上の人物・出来事や、創業者兼CEO・ベンチャーキャピタルの経験から、企業文化をつくるテクニックを解説している本です。

これから起業家を目指す人、スタートアップを起業している人はもちろん、あらゆる組織のリーダーが企業(組織)文化を学ぶ本として一読をおすすめします。

ベン・ホロウィッツ(著)浅枝 大志, 関 美和(翻訳)日経BP(出版社)2020/4/17(発売日)312P(ページ数)

本の目次(詳細版)

この本の目次(詳細版)を引用して紹介します。

  • 日本語版序文 辻 庸介
  • 序文 ヘンリー・ルイス・ゲイツ・ジュニア
  • イントロダクション 行動こそが君という人間だ
    • 企業文化は世界に大きな影響を与える
    • 企業文化を機能させるために必要なこと
    • この本の読み方
  • 第1章 文化と革命 トゥーサン・ルーベルチュールの物語
    • トゥーサン・ルーベルチュールとはどのような人物だったのか
    • 立ち上がったルーベルチュール
    • どのように奴隷文化を解体したか
    • ルーベルチュールの文化遺産
    • 自由の文化
  • 第2章 ルーベルチュールのテクニックを使う
    • うまくいっていることを続ける
    • ショッキングなルールをつくる
    • 服装を整える
    • 外部からリーダーシップを取り入れるーーなんだクソ野郎!
    • 何が最優先かを行動で示す
    • 言行を一致させる
    • 倫理観をはっきりと打ち出す
  • 第3章 武士道
    • 侍にとって文化はどんな意味を持っていたか
    • 死の大切さ
    • 武士の心得
    • 私たちがやったことーー起業家を尊敬する
    • 文化をいつまでも維持する
    • 物語を伝える
  • 第4章 もうひとつの武士道 シャカ・サンゴールの物語
    • 刑務所文化に順応する
    • 刑務所のボスざるになる
    • ターニングポイントーー意図しない結末
    • 組織文化と自分自身を変える
    • シャカ・サンゴールの今
  • 第5章 サンゴールのテクニックを使う
    • 文化は人を変える
    • 掟に生きる
    • 組織文化はすべてに波及する
    • 掟を盾に取るとき
    • 組織文化を変えるために自分を変えなければならないとき
    • いつも共に過ごすことで文化を変える
  • 第6章 チンギス・ハン 多様性の達人
    • 文化が軍事戦略に与えた影響
    • 実力主義
    • 忠誠心
    • 多様性
  • 第7章 現代社会の多様性
    • 貧困地区からCEOへ
    • 今どきの忠誠心と実力主義
    • 多様性の達人になる
  • 第8章 自分らしい文化をデザインする
    • 自分らしく
    • とはいえ、どこを直したらいいかを知ろう
    • 自分らしさを文化に組み入れる
    • 文化と戦略、どちらが強い?
    • サブカルチャー
    • 社員の条件
    • 強い文化の共通要素
    • 文化の特性を生かす
  • 第9章 境界事例と見せしめ
    • 顧客第一主義が業績不振につながるとき
    • 自分自身のルールを壊す
    • 企業文化が取締役と衝突するとき
    • 文化がぐちゃぐちゃになっている兆候
    • 見せしめ
    • 文化の破壊者にどう対応するか
    • 意思決定の文化
  • 第10章 まとめ
    • 信頼
    • 忠誠心
    • 文化のチェックリスト
  • 謝辞
  • 訳者あとがき
  • 参考文献

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